古事記・日本書紀

古事記の日本神話のあらすじをわかりやすく解説!流れと登場人物を時系列で

2019年9月27日

「古事記」は、和銅5年(西暦712年)に編纂された、日本最古の歴史書です。

と言われても、歴史の授業で名前を聞いたことがあるくらいで、ピンとこない方も多いと思うので簡単に言うと、神々の誕生から日本の国土の成り立ちや、神から人間である天皇誕生へとつながる神話と、歴代天皇の物語を記した全三巻の歴史書です。

「アマテラス」や「スサノオ」、「イザナキ」や「イザナミ」といった名前くらいは聞いたことがあると思います。

これらの神々の神話が、すべてこの古事記には収められているわけです。

この記事では、古事記で記されている日本の神話の内容とあらすじをまとめました。

令和の時代を迎え、新しい天皇陛下が即位されました。
2000年以上にわたって引き継がれてきた、世界最古の王朝である日本の天皇家。
その天皇家のルーツである日本の神話を、多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。

はじめに

神様を数える時は、「1人、2人・・・」ではなく、「1柱(はしら)、2柱・・・」と数えます。

古事記の日本神話の流れを登場人物とともに時系列で簡単に解説!

古事記に書かれている神話の内容に入る前に、全体の流れを代表的な登場人物(神様)とともに時系列で簡単にご紹介します。

  • 天之御中主神 ー 「世界の始まりー天地開闢」
  • 伊邪那岐神・伊邪那美神 ー 「国生み」「神生み」「黄泉の国」
  • 天照大御神・須佐之男命 ー 「誓約」「天岩戸」
  • 須佐之男命 ー 「ヤマタノオロチ退治」
  • 大国主命 ー 「因幡の白うさぎ」
  • 大国主命・須佐之男命 ー 「須佐之男命の試練」
  • 天照大御神・大国主命 ー 「国譲り」
  • 天照大御神・邇邇芸命 ー 「天孫降臨」
  • 海幸彦・山幸彦 ー 「兄妹喧嘩」
  • 初代神武天皇 ー 「神武東征」※古事記第2巻

いわゆる日本神話は、古事記第1巻(上巻)に収められている神武天皇の誕生までの物語のことを指します。

神武天皇の記述については神話とも呼べる内容ですが、ここでは割愛し下記の記事でまとめていますので、こちらを参考に読んでもらえると嬉しいです。

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世界の始まりー「天地開闢」のあらすじ

古事記では、この世界のはじまり・天地開闢(てんちかいびゃく)から物語ははじまります。

別天神(ことあまつかみ)と神世七代(かみよのななよ)

この世界に初めて現れた神は天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)で、続いて高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)神産巣日神(カムムスヒノカミ)が現れました。

この3柱は「造化三神(ぞうかさんしん)」と呼ばれ、続いて現れた2柱を合せた5柱の神を「別天神(ことあまつかみ)」と呼び、この別天神は男女の区別のない「独神(ひとりがみ)」です。

続いて独神が2柱現れ、その後、男女の神5組が現れます。これらの神々を「神世七代(かみよのななよ)」と呼びます。

そしてこの「神世七代」で最後に現れた男女の神が、伊耶那岐神(イザナギノカミ)伊耶那美神(イザナミノカミ)です。

 

 

日本の生みの親「イザナギ・イザナミ」のあらすじ

天地開闢から誕生した神々から、伊耶那岐神(イザナギノカミ:以後イザナギ)伊耶那美神(イザナミノカミ:以後イザナミ)が日本を創造するように指令がでます。

国生みの神話

イザナギイザナミは地上に降り立ち、交わることによって島を生み出すことにしました。

そして最初に生まれたのが、今の淡路島で、その後つぎつぎと島を生み8つの島が生まれます。

この時、最初に生まれたこの8つの島のことを「大八島」と言い、日本の事を「大八島の国」と呼びます。

そしてイザナギイザナミはその後も6つの島を生み、こうして日本の国土が完成したのです。

 

神生みの神話

日本の国土を生んだイザナギイザナミは、そこに住む神様を生むことにします。

そうしてイザナギイザナミが生んだのは17柱の神様で、その子となる神様も16柱生みました。(この16柱の神様は孫にあたります)

ところが、イザナミが最後に火の神様を生む時に、深刻なやけどを負いってしまうと、そのやけどせいでイザナミは亡くなってしまい、黄泉の国へと行ってしまったのです。

このようにしてイザナミを死なせた火の神に激怒したイザナギは、なんと持っていた剣で火の神を切り殺してしまったのでした。

 

黄泉の国の神話

寂しさのあまり、黄泉の国へ行ってしまったイザナミを追いかけて、イザナギも黄泉の国へ向かいます。

黄泉の国に着いて、イザナギイザナミと宮殿の扉越しに会うことができましたが、見ないでくれと言ったイザナミとの約束を破り、イザナギはその姿を見てしまいました。

すると、そこにいたのは腐敗して変わり果てたイザナミの姿で、その姿を見たイザナギは驚きのあまり逃げ出してしまったのです。

約束を破られたうえに醜い姿を見られたイザナミは、激怒して使者を放ってイザナギを追いかけます。

イザナギはそれらの使者を振り払って逃げ続けると、最後はイザナミが自ら追いかけました。

イザナギは追ってくるイザナミを振り切る為に、大きな岩で出口をふさぎ、なんとかイザナミから逃げ延びました。

しかしイザナミは岩越しに「あなたの世界の人間を毎日1000人死なせてやる!」と呪いの言葉を放つと、イザナギは「それなら私は1500人生むさ!」と応じたのでした。

 

【三貴子】天照大御神・月読命・須佐之男命の誕生の神話

黄泉の国から戻ったイザナギは、「いやはや見るも恐ろしい国へ行ってしまった。禊(みそぎ)をして身を清めねば」と言い、禊を始めます。

そして禊をしていると、脱いだ衣服や装飾品などから、次々と神様が生まてきたのです。

そして、その禊の際に左目を洗うと天照大御神(アマテラスオオミカミ:以後アマテラス)が生まれ、右目を洗うと月読命(ツクヨミノミコト:以後ツクヨミ)が、鼻を洗うと須佐之男命(スサノオノミコト:以後スサノオ)が生まれたのです。

この3柱の神は特に貴い神であったので「三貴子」と呼ばれます。

イザナギは、この「三貴子」に対し「アマテラスは高天原(たかまのはら:天上世界)を、ツクヨミは夜の世界を、スサノオは海原を治めよ」とそれぞれに世界の統治を託します。

 

 

天皇の祖先とその弟「アマテラスとスサノオ」のあらすじ

物語は、イザナギの生んだ三貴子のお話へと移っていきます。

ただ、なぜかツクヨミは今後いっさい登場しません。(貴い神のはずなんですけどね。笑)

アマテラスとスサノオの誓約(うけい)

海原を治めるように命じられたスサノオですが、泣きわめくばかりで、いっこうに治めようという気配がありません。

そんなスサノオに対しイザナギは、なぜ泣いてばかりで海原を治めないのか問いただすと、スサノオは「亡き母に会いに、"根之堅州国(ねのかたすくに)"に行きたくて泣いているのです」と答えました。

それを聞いたイザナギは、怒ってスサノオを追放してしまいまったのです。

追放されたスサノオは、母に会いに行く前に、姉・アマテラスのもとへと向かうことにします。

しかし、荒々しいスサノオが来るということは、きっと悪だくみをしているに違いないと思ったアマテラスは、完全武装でスサノオを迎えることにしました。

それに対しスサノオは「そんな気持ちはない」と言いますが、アマテラスはそれを信じなかった為、スサノオは潔白を証明するために誓約(うけい)をしようと提案します。

そして「お互いに子供を生む」という誓約合戦でスサノオは自身の潔白を証明したのでした。

 

天照大御神の天岩屋戸隠れの神話

荒々しい気性のスサノオは、アマテラスのいる世界で大暴れし始めると、なんとそのスサノオの暴行によって、アマテラスに仕えていた女性が死んでしまいます。

スサノオのあまりの横暴ぶりに困り果てたアマテラスは、すっかり悩んでしまい天岩屋戸(あめのいわやど)に隠れ、ひきこもって出てこなくなってしまいました。

すると、太陽の神であるアマテラスが隠れたことで、世界は暗闇に包まれてしまったのです。

困ってしまった神々は、集まって知恵の神である思金神(オモイカネノカミ)に相談すると、思金神はみんなで祭りをしてアマテラスの気を引き、岩の戸を開けた瞬間に引っ張り出す、という作戦を思いつきました。

そしてその作戦を実行すると、ようやくアマテラスを引っ張り出すことに成功し、元の明るい世界に戻たのでした。

この時、祭りで使用された八咫鏡(やたのかがみ)八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、現在の皇室にも伝わる三種の神器のうちの二つです。

なお、アマテラスを困らせ世界に暗闇をもたらしてしまったスサノオは、様々な罰を与えられ高天原を追放させられました。

 

スサノオのヤマタノオロチ退治の神話

高天原を追放されたスサノオは地上世界の出雲に降り立つと、そこで泣いている親子と出会い、なぜ泣いているのか尋ねると、「毎年同じ時期にヤマタノオロチという怪物が現れ、娘を一人ずつ食べてしまい、もうすぐ最後の娘が食べられてしまう」と言いました。

櫛名田比売(クシナダヒメ)というその娘に恋をしてしまったスサノオは、ヤマタノオロチを退治するので、櫛名田比売と結婚させてほしいと言いました。

両親は快く承諾し、スサノオはヤマタノオロチ退治の準備にとりかかり、頭が8つあるヤマタノオロチを退治する為に、8つの垣根と8つの強い酒を用意します。

そして現れたヤマタノオロチは、その強い酒をガブガブ飲み、酔って寝てしまいました。

スサノオはヤマタノオロチが酔って寝ているスキに剣で切り裂き、見事に退治することに成功したのです。

この時、ヤマタノオロチの体の中から出てきたのが、三種の神器の最後のひとつ草薙剣(くさなぎのつるぎ)で、スサノオはこの草薙剣を高天原のアマテラスに捧げることにしました。

その後、スサノオは櫛名田比売と結婚し子供も生まれ、子孫繁栄して仕合せに暮らしました。

そしてその6代のちの子孫が、出雲大社で祀られる神として有名な大国主命(オオクニヌシノミコト)なのです。

 

 

出雲大社の神様「大国主命(オオクニヌシノミコト)」のあらすじ

古事記においては、スサノオの物語に続いて、その子孫でもあり出雲大社に祀られる神様の大国主命の物語へと移っていきます。

なお、同時代に編纂された歴史書「日本書紀」には、これからご紹介する大国主命の物語は記載されていません。

因幡の白兎の神話

大国主命には、八十神(ヤソガミ)という腹違いの兄弟がたくさんいました。

兄弟達は皆こぞって八上比売(ヤガミヒメ)という美しい女神に惚れ込み、大国主命を引き連れて全員でプロポーズしに出かけました。

その時、一番後ろを歩いていた大国主命は、毛をむしられて肌が真っ赤になって泣いているうさぎと出会いました。

大国主命が心配して声をかけると、うさぎはこれまでの経緯を話しだします。

サメをダマしたら、怒ったサメに噛まれて毛をむしられてしまいました。そして、さきほど通りかかった八十神の言うアドバイスのとおりにしたら、肌が真っ赤になってしまったのです」と言いました。

それを聞いた大国主命は、うさぎに適切なアドバイスをすると、うさぎはみるみる治ります。

回復したうさぎは、お礼のかわりに「あなたが八上比売と結婚するでしょう」と予言すると、なんとうさぎの予言通りに、八上比売は結婚相手に大国主命を選んだのでした。

しかし、八上比売を奪われた形になった八十神は、大国主命に対して激しい怒りをおぼえ、あろうことか大国主命を殺してしまったのです。

 

大国主命とスサノオの神話

大国主命の母は大国主命が死んでしまったことをとても悲しみ、天上の神様に大国主命を生き返らせてくれるようお願いします。

こうして天上の神様の救いにより生き返った大国主命ですが、再び八十神によって殺されてしまいます。

大国主命は、母親によって再度生き返りますが、またしても八十神に命を狙われてしまうのでした。

そんな時、とある神様のアドバイスにより、根之堅州国(ねのかたすくに)にいるスサノオのもとへと向かうと、そこでスサノオの娘の須勢理毘売(スセリビメ)と出会います。

そして大国主命と須勢理毘売はお互いに一目惚れし、すぐに結婚を決意すると、大国主命は須勢理毘売の父・スサノオと対面することになりました。

これに対しスサノオは、大国主に対して蛇や蜂・ムカデの部屋で寝かせたり、野原に火を放って大国主を追い詰めるなど、やり過ぎともいえる様々な試練を与えます。

しかし、大国主命はそんな数々の試練に対し、須勢理毘売やネズミの助けによって乗り越えたのです。

その後、試練の最中に眠ってしまったスサノオの隙をついて、大国主命と須勢理毘売はスサノオのもとから逃げ出すことにしました。

しかし、目覚めたスサノオは、激怒して大国主命と須勢理毘売を追いかけますが、二人はなんとか逃げ切ったのです。

そんな二人に対し、スサノオは「お前の兄弟達をやっつけて立派な国を造れ!そして娘を正妻にして立派な社を建てろ!」と、最後は応援するかのような言葉をかけて見送ったのでした。

 

大国主命の恋物語の神話

須勢理毘売と共にもとの世界に戻った大国主命には、すでに八上比売という妻がいました。

しかし正妻は須勢理毘売となったので、八上比売は遠慮して大国主命のもとを離れます。

二人の女神と結婚した大国主命ですが、その後も北陸の女神・沼河比売(ヌナカワヒメ)や各地の美女と恋仲になり、たくさんの子をもうけます。

そんな大国主に対して、正妻の須勢理毘売はやきもちをやきますが、大国主命は歌を贈って須勢理毘売の気持ちをなだめたのでした。

 

国造り神話

大国主命は、各地で女性と交わり子孫を繁栄させることで国造りを行っていると、ある日、海のかなたから小舟に乗った小さな神様が現れます。

この小さな神様は、造化三神・神産巣日神(カムムスヒノカミ)の子で少名毘古那神(スクナビコナノカミ)といいます。

少名毘古那神は大国主命にとって国造りのいいパートナーでしたが、ある日突然、少名毘古那神は大国主命のもとを去ってしまったのです。

大国主命は国造りのパートナーを失って途方にくれていると、とある神様が光を放ちながら大国主命の前に現れます。

その神様は「私を大和にある山に祭れば、一緒に国造りを手伝ってやろう」と言うので、大国主命はその神様の言うとおりに祭り、この神様の助けを借りることができたのです。

こうして、他の神様の力を借りながらも、大国主命は立派に国造りを完成させることができたのでした。

 

 

天照大御神と大国主命の「国譲り」のあらすじ

 

大国主命によって国造りは完成しましたが、もともとはイザナギの命によって、アマテラスがこの国を治めることになっていました。

アマテラスは天上世界を治めているので、自分に代わって、子孫にこの地上世界を治めさせることにします。

アマテラス 地上世界へ使者を派遣

アマテラスは、自分の子供である天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)に地上世界を治めさせようとします。

ところが、天忍穂耳命は地上世界に向かおうとしますが「騒々しいな・・・」と言って戻ってきてしまいました。

そこで天上世界のアマテラスは、造化三神・高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)や、知恵の神様・思金神(オモイカネノカミ)にも相談し、使者を派遣して地上世界を平定しようとします。

最初に地上世界へ派遣された使者は、大国主にこびへつらってしまい3年も音信普通となり、困ったアマテラスたちは別の使者を派遣しますが、この使者も大国主命に懐柔されてしまい8年も経ってしまいました。

しかもこの使者は、自分がこの地上世界を治めようとすら考えるようになっていたのです。

そこで、高御産巣日神がこの使者が裏切っているかどうかを占って矢を放つと、裏切りがバレてこの使者は死んでしまったのです。

このように、派遣した使者はことごとく大国主命に取り込まれ、地上世界を平定することは困難を極めていました。

 

アマテラス 建御雷神を派遣

続いて地上世界の平定の使者に選ばれたのは、勇猛な建御雷神(タケミカズチノカミ)です。

さっそく建御雷神は、神の舟に乗り地上世界へ向かうと、砂浜に剣を逆さに突き立て、その上にあぐらをかいて大国主命に対面しました。

建御雷神が大国主命に地上世界を譲るかどうか尋ねると、それに対し大国主命「子供たちが回答します」と言ってすぐに返事はしませんでした。

すると建御雷神はすぐにその子供の元へ向かうと、一人目の息子・八重言代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)は素直に応じました。

しかし、もう一人の息子・建御名方神(タケミナカタノカミ)は、そうはいきません。

建御名方神は、大きな岩を持って建御雷神の前に現れ、力比べで決めようと言って建御雷神の手をとりますが、なんとその手は氷の柱となり建御名方神を襲ってきたのです。

それに驚いて建御名方は逃げ出しますが、建御雷神が追ってくるので、恐れをなした建御名方は地上世界の国譲りを承諾しました。

こうして息子達が地上世界の国譲りを承諾したので、ついに大国主命もこれを承諾したのです。

そして、大国主は地上世界の国譲りを承諾するかわりに、出雲の国に天まで届くほどの壮大な大社を建てることを要求しました。

こうして建てられることになった大社こそ、あの有名な出雲大社なのです。

 

 

天上世界から地上世界へ:「天孫降臨」から「神武天皇」までのあらすじ

出雲大社に祭られる大国主命から、地上世界の国を譲り受けたアマテラスは、子孫を地上世界に送りこの国を治めることにします。

こうして地上へと送られたアマテラスの子孫が、初代・神武天皇の先祖であり、現在まで続く天皇家の血筋となっていくのです。

天孫降臨の神話

建御雷神の活躍により、大国主命から地上世界の国譲りを受け、アマテラスは再び子供の天忍穂耳命に、地上世界を治めるように言います。

しかし天忍穂耳命は、「子供ができたので、その子供に治めさせましょう」と言い、アマテラスの孫にあたる邇邇芸命(ニニギノミコト:以後ニニギノミコト)が、地上世界を治めることになりました。

アマテラスは、こうして地上世界に向かうことになった孫のニニギノミコトに対し、現在の皇室にも伝わる三種の神器(八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣)を持たせ、アマテラスを拝むように八咫鏡を祭るように言いました。

こうしてニニギノミコトが地上世界へ向かう際、アマテラスが天岩屋戸にひきこもった時、アマテラスを救い出した天宇受売神(アメノウズメノカミ)などをお供に連れて行くことになりました。

また、道中で地上世界の神様である猿田毘古神(サルタビコノカミ)が、先導として同行することになりました。

このように、天上世界のエリートともいえる神様を従えて、照大御神のであるニニギノミコトが、地上世界の高千穂に降臨したので「天孫降臨」と言います。

 

ニニギノミコトと木花佐久夜毘売の神話

こうして地上世界に降り立ったニニギノミコトは、ある日一人の女性と出会います。

その女性は木花佐久夜毘売(コノハナサクヤビメ)といい、ニニギノミコトは一目惚れして、すぐにプロポーズしました。

木花佐久夜毘売は、山の神である父・大山津見神(オオヤマツミノカミ)にそのことを伝えると、大山津見神は喜んで受け入れます。

そして、姉の石長比売(イワナガヒメ)も一緒にニニギノミコトに嫁がせることにしたのです。

しかし、美しい木花佐久夜毘売に対し、姉の石長比売は醜い姿だったので、なんろニニギノミコトは石長比売をすぐに送り返してしまいました。

すると、父の大山津見神は「石長比売を嫁がせたのは、石のような動じない生命力を持たせる為。木花佐久夜毘売を嫁がせたのは、花のように栄える為でした。しかし、石長比売を送り返したことで、あなたの命ははかなく散ることになるでしょう」と、ニニギノミコトに対して言いました。

このようにして、寿命がなかった神様にも、人間と同じように寿命ができたのです。

さて、その後、木花佐久夜毘売は子供ができたことをニニギノミコトに告げますが、それに対してニニギノミコトは、「一日で子供ができるのはおかしい。他の神との子ではないか?」と疑ったのです。

そのニニギノミコトの言葉を聞いた木花佐久夜毘売は、自身の潔白を証明する為に、なんと捨て身の行動にでます。

「炎の中で無事に生まれれば、あなたの子供です。もしそうでなければ、他の神との子です」と言い、小屋に火を放ち、なんとその中で出産することにしたのです。

こうして、炎に包まれながらも無事に子供を生み、木花佐久夜毘売は自分の潔白を証明したのです。

こうして生まれたのが、火照命(ホデリノミコト)火須勢理命(ホスセリノミコト)火遠理命(ホオリノミコト)です。

 

海幸彦と山幸彦の神話

ニニギノミコトと木花佐久夜毘売の間に生まれた3兄弟の火照命、火須勢理命、火遠理命。

物語は火照命と火遠理命の二人の兄弟のお話です。(火須勢理命は登場しません)

兄・火照命は、海の幸を獲ることが得意だったので海幸彦と呼ばれ、弟・火遠理命は山の幸を獲ることが得意だったので山幸彦と呼ばれました。

ある日、お互いの道具を交換して獲物をとることにしますが、どちらもうまくいきませんでした。

しかも弟の山幸彦は兄・海幸彦の釣り針を無くしてしまいます。

そこで山幸彦は代わりの釣り針を渡そうとしますが、どうしても許してもらえず困り果てていると、とある神様がやってきて「海の宮殿にいる、海の神の娘が助けてくれるでしょう」と言いました。

そして、その神様の助言どおりに海の宮殿へ行った山幸彦は、海の神の娘・豊玉毘売(トヨタマビメ)と出会い、なんとすぐさま結婚してしまいます。

結婚から3年経ったある日、大きなため息をつく山幸彦を見て心配になった豊玉毘売は、父である海の神に相談します。

山幸彦兄の釣り針を無くして困っていることを話すと、海の神は魚を集めて釣り針を見つけてくれました。

さらに、海の神は兄に対面した時のアドバイスと、不思議な力を持つ玉を授けてくれました。

こうして、もとの世界に戻った山幸彦は兄に釣り針を返し、不思議な力の玉を使って兄・海幸彦を従えさせることができたのでした。

 

山幸彦と豊玉毘売 神武天皇の誕生

山幸彦との間に子供ができた豊玉毘売は、「出産している姿を決して見ないで下さい」と言いますが、なんと山幸彦はその約束を破って出産している姿を見てしまいます。

出産している姿を見られた豊玉毘売は、恥ずかしく思い海の世界へと帰ってしまったのです。

こうして生まれたのが鵜葺草葺不合命(ウカヤフキアエズノミコト)で、その後、山幸彦は豊玉毘売の妹であり育ての親ともいえる玉依毘売(タマヨリビメ)と結婚します。

そしてその二人の間に生まれたのが、神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)後の初代・神武天皇なのです。

 

こうして、この世界の始まりや神様の誕生から始まり、イザナギ・イザナミによる日本の国土の創造、日本の最高神・アマテラスの誕生からその子孫となる天皇家へとつながる壮大な物語をもって「古事記」の第一巻・上つ巻は終わります。

古事記では、その後の神武天皇による大和政権の誕生と、ヤマトタケルの遠征による大和政権の拡大の物語を収めた、第二巻・中つ巻へと続き、第三巻・下つ巻で第33代・推古天皇までの歴代天皇の物語が描かれます。

古事記に興味を持ち、さらに詳しく知りたいと思った人は下記の本がオススメです。このブログの参考図書でもあります。

さて、古事記の日本神話は、漫画「NARUTO(ナルト)」や「鬼滅の刃」の設定やキャラクターのモチーフにもなっています。

それについては下記の記事でご紹介していますので、気になった人はぜひ読んでみて下さい。

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他にも数多くの漫画やアニメ、ゲームなどにも影響を与えており、日本神話を知っているとさらに深く楽しむことができると思いますよ。

また、日本全国にある神社は、その多くが『古事記』や『日本書紀』の日本神話に登場する神々を祀っているので、神社を訪れた際は神話の神様との関係を調べてみるとのもいいでしょう。

きっと神社めぐりもより楽しくなると思いますよ。

これをきっかけに、さらに『古事記』の日本神話に興味をもってもらえると嬉しいですね。

 

鬼滅の刃と日本神話

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