「鬼滅の刃」の物語の序盤で、炭治郎は錆兎との戦いを通して見事に大きな岩を斬り、鬼殺隊の最終選別へと向かいました。
この錆兎との印象的な戦いは、もしかしたら戦国時代の剣豪・柳生宗厳(石舟斎)(やぎゅう むねよし:せっしゅうさい)の「一刀石の伝説」がモデルとなっているかもしれません。
この柳生宗厳(石舟斎)の「一刀石の伝説」について、「鬼滅の刃」と照らし合わせて解説しています。
目次
「鬼滅の刃」第1巻、第5話の炭治郎と錆兎の戦いをおさらい
主人公の炭治郎は、鬼殺隊に入隊すべく師匠の鱗滝のもとで鍛錬していました。
1年間鍛錬を積むと、鱗滝は突如「もう教えることはない」と言い、巨大な岩を前にして「この岩を斬れたら最終選別に行くのを許可する」と言いました。
しかし、炭治郎は何度も岩を斬ろうと試みるも、半年経ってもまったく斬ることはできませんでした。
炭治郎はくじけそうになりながらも「頑張れ俺!!頑張れ!!」と大声で自分を鼓舞していると、「男が喚くな見苦しい」と言いながら突然錆兎が現れました。
そして、いきなり錆兎は未熟なところを指摘しながら、炭治郎を木刀で殴りかかり気絶させてしまいます。
目が覚めると、そこにはかわいらしい少女の真菰がいました。
真菰は炭治郎にさまざまなアドバイスをし、炭治郎の鍛錬を助けてくれたのでした。
さらに半年経ったある日、いつものように炭治郎が錆兎に挑むと、いつもは木刀を持っていた錆兎は真剣を持って炭治郎を待っていたのでした。
二人の勝負は一瞬で決着がつきます。初めて炭治郎の切っ先が錆兎より先に届き、錆兎が着けていた面を割ることができました。
すると素顔の錆兎は、泣きそうな嬉しそうな安心したような笑顔を見せ、気づくといつの間にか消えていました。
炭治郎は、ふと錆兎の面を斬った刀の方を見ると、そこには真っ二つに割れた巨大な岩があったのです。
柳生宗厳(石舟斎)の「一刀石の伝説」と、どこにをあるかを簡単に解説!
それでは「鬼滅の刃」の炭治郎と錆兎の戦いのモデルになったと思われる「一刀石の伝説」について、その場所とともに簡単に解説します。
柳生宗厳(石舟斎)の「一刀石の伝説」を簡単に解説
奈良県にある原生林茂る山奥で、剣の修行を積んでいた柳生宗厳(石舟斎)の前にどこからともなく突然天狗が現れます。
柳生宗厳(石舟斎)はその天狗と対決をすることになりますが、勝負は一瞬、一刀のもとにその天狗を切り捨てました。
ところが、斬ったはずの天狗の場所には真っ二つに斬り裂かれた巨石があったのでした。
この柳生宗厳(石舟斎)が一刀のもとに斬り割いた伝説から、この巨石を「一刀石」と呼ぶようになったのです。
いかがでしょうか。
「鬼滅の刃」の炭治郎と錆兎の戦いとそっくりですよね。
天狗といえば、二人の師匠の鱗滝左近次も天狗の面をかぶっていますし、共通点が多いですよね。おそらくこの「一刀石の伝説」がモチーフになっているのではないかと思います。
ちなみに、天狗の起源となる神様が日本神話に登場し、その神様は鱗滝左近次の特徴と重なる部分もあります。
それについては下記の記事でも少し触れていますので、併せて読んでみて下さい。
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伝説の「一刀石」があるのは奈良県奈良市柳生町
- 住所:〒630-1232 奈良県奈良市興ヶ原町
- 交通アクセス
電車・バス 近鉄奈良駅から奈良交通バス柳生・邑地中村行きで50分、終点下車、徒歩8分 車 名阪国道針ICから約16kmで柳生観光駐車場。駐車場から徒歩15分 最寄りの駐車場 奈良市柳生観光駐車場(50台/有料)※下記の地図参照
柳生新陰流でも知られる柳生宗厳(石舟斎)とはどんな人物か簡単に解説!
それでは「一刀石の伝説」の柳生宗厳(石舟斎)とはどんな人物なのか、簡単に解説します。
柳生宗厳(石舟斎)とはどんな人物なのか概略を紹介
大和の国人柳生氏の当主。松永久秀に仕えて頭角を表すも、松永氏が滅亡したこともあって武将としては不遇に終わる。一方で 上泉信綱より伝授された新陰流の剣豪として名高く、 徳川家康の師範となって息子宗矩を徳川家に推挙したことで柳生家が大きく飛躍する切っ掛けを作った。
上泉信綱が拓いた「新陰流」を世間に広く知らしめた為、一般的には「柳生新陰流」と呼ばれます。
戦国時代には剣聖とも呼ばれるほどの剣の達人だったようです。
井上雄彦の漫画「バガボンド」で描かれる剣聖・柳生宗厳(石舟斎)
井上雄彦の漫画「バガボンド」は、剣豪・宮本武蔵を主人公とするストーリーです。
その作品の中で、若き日の宮本武蔵が当時「天下無双の剣聖」と呼ばれた柳生宗厳(石舟斎)に勝負を挑む場面があります。
宮本武蔵は寝ている柳生宗厳(石舟斎)を襲おうとしますが、あまりのオーラに何も出来ずに屈服してしまいます。
その後も、宮本武蔵はことあるごとに柳生宗厳(石舟斎)の残像を見るようになり、あらためてその偉大さを感じるのでした。
「一刀石」と日本神話の「天岩戸」との関係を解説!
ご紹介した伝説の「一刀石」の付近には、本殿を持たず巨大な岩を御神体とする天石立神社があります。
この天石立神社の御神体である巨大な岩は、日本神話「天岩戸」で天照大御神(アマテラスオオミカミ)が隠れていた岩戸の岩を、天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)が投げてこの地に飛んできたものだとされています。
この日本神話「天岩戸」については、様々な形で影響を与えており、その一例としてその神話の内容と関係する作品についてもご紹介しています。
気になった方はぜひ下記の記事も読んでみて下さい。
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また、錆兎と真菰も実は日本神話と深いつながりがあり、それは皆さんもよくご存知の出雲大社と関係していると思われます。
どういうことか気になった人は、併せて読んでもらえると一層深く「鬼滅の刃」を楽しめるはずです。
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これをきっかけに、「鬼滅の刃」だけでなく様々な作品にも影響を与えている日本神話にふれてみてはいかがでしょうか。
錆兎の言葉を借りれば、日本人が意外と知らない、私達の先祖の託した「日本神話」をあなたも繋いでみませんか?
なお、日本神話は『古事記』を読むことが一番ですが、最初は動画を見たほうがわかりやすいかもしれません。
下記の記事で面白くわかりやすい動画を紹介していますので、こちらも参考にしてみて下さい。
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また、当ブログでは他にもこうした『鬼滅の刃』と日本神話の関係についての記事をいくつか掲載しています。
あまり知られていない日本神話と照らし合わせると、一味違った楽しみ方ができると思うので、ぜひこちらも読んでみて下さい。
↓鬼滅の刃と日本神話との関係についてはコチラ↓
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