ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイに登場する亜港や間宮海峡の歴史を解説!発見者の間宮林蔵についても

2020年6月27日

『ゴールデンカムイ』で、かつてキロランケやウィルクがロシアから樺太に移る際に渡った間宮海峡。

この間宮海峡はロシア本土と樺太の間の狭い海峡で、流氷が流れ着くと陸続きにる為、これを使ってロシアから樺太に渡ったわけですね。

さてこの間宮海峡は日本名で、諸外国ではタタール海峡と呼ばれています。なぜこのように日本名と別名の呼び名があるのか?

この記事では、『ゴールデンカムイ』の舞台にもなった間宮海峡について、その歴史をもとに解説しています。

 

『ゴールデンカムイ』で舞台となった亜港や間宮海峡についておさらい

まずは『ゴールデンカムイ』の作中で亜港や間宮海峡が舞台となった場面についておさらいしておきましょう。

『ゴールデンカムイ』では亜港監獄に捕まっているソフィアを脱獄させる

金塊の在り処の鍵を握るアシリパの記憶を呼び戻すため、キロランケはかつてアシリパの父・ウィルクとともに活動していたソフィアに会いに行くことにしました。

そのソフィアは囚人として亜港監獄に投獄されており、キロランケは時期を見計らってソフィアを脱獄させることにします。

このソフィアは、1881年にロシアの皇帝アレクサンドル2世暗殺の首謀者として捕まっていましたが、証拠がない為刑には処されず収監されていたのです。

ちなみに、このロシア皇帝暗殺事件は実際に起った出来事で、そのことについては下記の記事でご紹介していますので、こちらも参考に読んでみて下さい。

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キロランケは間宮海峡に流氷が流れ着くのを待っていた

キロランケはソフィアを亜港監獄から脱獄させ、仲間のいるロシアへと送り届けようとしました。

そしてその手段として、間宮海峡に流氷が流れ着きロシアと陸続きになったのを見計らい、その上を渡ってロシアへ逃がそうとしたのです。

この方法は、過去にロシアから樺太に渡った時の方法で、3人が長谷川幸一こと鶴見中尉とウラジオストクで遭遇したあとのことでした。

さて、長谷川幸一として鶴見中尉はスパイ活動をしていたわけですが、なぜウラジオストクにいたのでしょうか?

そのことについて考察してみましたので、こちらも併せて読んでみて下さい。

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間宮海峡の歴史と発見者の間宮林蔵について解説!

 

間宮海峡(タタール海峡)

引用:Wikipedia

さて、『ゴールデンカムイ』で樺太とロシアを往来する為に使われた間宮海峡ですが、その歴史について発見者の間宮林蔵とともにご紹介します。

 

間宮海峡の歴史について解説

古くから住んでいた住人にとって樺太が島であることは認識されており、江戸時代の1644年に作成された日本の地図でも樺太は島として記されていました。

しかし、1800年前後にフランスやロシアの航海士がこの海峡の航海を試みて失敗した為、ヨーロッパにおいては樺太は半島であり海峡はないという見方が出てきました。

はたして樺太は島なのかそれとも陸続きの半島なのか?こうした議論に決着をつけるべく、江戸幕府の天文方の高橋景保は間宮林蔵らを樺太に派遣し探検させました。

1809年、この時の間宮林蔵の樺太探検調査により、樺太とロシア大陸との間に海峡があることが発見されます。

このことは当時日本にいたシーボルトによって世界に広められ、樺太が島であることが認知され、ロシアとの海峡の一番狭い部分を「間宮の瀬戸」として名付けられたのです。

なお、海峡自体はタタール海峡と名付けられましたが、日本では一般的に「間宮海峡」と呼ばれるようになったんですね。

 

間宮海峡の名前の由来にもなっている発見者の間宮林蔵について解説

現在の茨城県つくばみらい市に生まれた間宮林蔵は、近くで行われていたせきの普請作業に加わっていたところ、地理や測量技術の才能を見込まれて幕府の役人に取り立てられます。

そして1799年に国後島や択捉島に派遣された際、日本地図を歩いて作った伊能忠敬から測量技術を学び、1803年に西蝦夷地を測量しウルップ島までの地図を作成しました。

間宮林蔵は地形調査や測量の技術だけでなく、ロシア人のニコライ・レザノフらによる択捉島襲撃事件の際に徹底抗戦を主張するなど勇敢な一面も持ち合わせています。

樺太から戻った後は幕府の隠密としても活動し、日本地図を持ち出したことでスパイとされ捕まったシーボルト事件の密告者とも言われていました。

ただ、このシーボルト事件については、蝦夷地で採取した標本を手に入れたいと考えたシーボルトが間宮林蔵あてに送った手紙を、外国人からの私的な手紙のやり取りは国禁にあたると考えた間宮林蔵が、開封せずに上司に提出しただけだったとも言われています。

樺太に渡り間宮海峡を発見した間宮林蔵は、その偉業を称え日本の本土における最北端の宗谷岬に銅像が立てられています。

 

 

まとめ

  • 『ゴールデンカムイ』でキロランケは亜港に収監されていたソフィアを脱獄させる為、間宮海峡の流氷を使ってロシアに逃した。
  • 間宮海峡は1809年に間宮林蔵の樺太探検によって発見、認知された。
  • 間宮林蔵は幕府の役人として蝦夷地の測量のほか、隠密としても活動していた。

ゴールデンカムイ特集

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