ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイのロシア皇帝暗殺の元ネタを史実から解説!なぜ起きたのかその理由についても

2020年6月27日

『ゴールデンカムイ』でキロランケとアシリパの父・ウィルクは、かつてロシアの皇帝を暗殺した壮絶な過去がありますね。

日露戦争後の北海道を舞台とした『ゴールデンカムイ』は、史実をもとにした内容が多く、実はこのロシア皇帝暗殺事件も実際に起きた出来事です。

一国の皇帝を暗殺するというセンセーショナルなこの事件は一体なぜ起きたのか?

この記事では、その首謀者となる人物と『ゴールデンカムイ』の登場人物との関係性をふまえつつ、この暗殺事件について解説しています。

『ゴールデンカムイ』をさらに深く楽しむ為の参考にしてみて下さい。

 

『ゴールデンカムイ』のロシア皇帝暗殺事件の場面をおさらい

まずは『ゴールデンカムイ』で描かれるロシア皇帝暗殺事件のシーンをおさらいしましょう。

コミックス16巻で罠を張る鶴見中尉

アシリパを連れて逃亡したキロランケ達を追う鶴見中尉は、一行が樺太のロシア領へ向かうと推測し、ロシア大使館と連絡をとっていました。

というのも、キロランケがロシア皇帝暗殺事件の実行犯がキロランケであり、ロシアで指名手配を受けていることを知っていて、そのキロランケ達が通りそうな場所を通告していたのです。

ロシアの国境警備隊にキロランケを捕まえさせて、残ったアシリパの身柄を引き受けようと考えていたのかもしれませんね。

 

コミックス17巻でアシリパの父・ウィルクも実行犯だったことが明かされる

ロシアの国境警備隊に狙われたアシリパ達一行は、尾形やキロランケが応戦して危機を脱します。

そして、国境警備隊員が持っていた指名手配書を見ると、そこにはキロランケの似顔絵が描かれており、なぜ追われているのか告白しました。

キロランケは、自分がロシア皇帝暗殺の実行犯であることを告白するとともに、実はアシリパの父・ウィルクもその実行犯の一人だったことを打ち明けたのでした。

 

 

『ゴールデンカムイ』のロシア皇帝暗殺事件の元ネタを史実から解説!

『ゴールデンカムイ』でキロランケが過去を振り返る場面で、15歳の時に爆弾でロシア皇帝を暗殺したことを告白していましたね。

この皇帝暗殺事件は物語上のフィクションではなく、驚くべきことに実際に起きた事件が元ネタに描かれたものだったのです。

その事件について、なぜ起こってしまったのか簡単に理由を解説していきます。

1881年ロシア帝国第12代皇帝アレクサンドル2世が爆殺される

『ゴールデンカムイ』で描かれる時代のロシアは、1721年にピョートル1世が初代の皇帝となってからロマノフ家が代々皇帝として君臨した帝国国家でした。

そのロシア帝国の第12代皇帝として君臨していたのが、『ゴールデンカムイ』でも描かれているアレクサンドル2世です。

アレクサンドル2世は、父である第11代皇帝ニコライ1世の死去にともなって1855年に皇帝の座につきます。

アレクサンドル2世は様々な改革を推し進めますが、1881年首都のサンクトペテルブルグにおいて、ロシアの反体制テロ組織「人民の意志」の党員が投じた手投げ爆弾により暗殺されてしまいました。

実行犯や首謀者は違いますが、『ゴールデンカムイ』で書かれている皇帝暗殺事件は、時代やその背景は実際にあった暗殺事件のことだったわけです。

 

なぜロシアの皇帝暗殺事件は起きたのか流れや理由を解説

では、なぜロシアの皇帝暗殺事件は起こったのかというと、フランス革命の影響により資本主義が浸透し工業化が進む世界情勢の中、ロシアは旧体制から脱却できずに遅れをとっていました。

こうしたロシアの政治体制に対し、反体制革命家の集団「人民の意志」は農民に蜂起を促し革命を起こそうと考えますが、思うような支持は得られなかったうえ、政府から厳しい弾圧を受けます。

しかし一部のメンバーはさらに過激化し、皇帝や政府高官を暗殺することで「現在の体制ではダメだ」ということ示そうという危険な思想へと変わっていったのです。

こうした過激な思想が極限まで高まり、とうとう皇帝暗殺というテロ行為を実行にうつしたんですね。

実際に起きたロシア皇帝暗殺事件は、『ゴールデンカムイ』18巻でキロランケが語っていたとおりの理由が原因だったのです。

 

『ゴールデンカムイ』と同じく史実のロシア皇帝暗殺の首謀者は3人

『ゴールデンカムイ』の作中では、キロランケとウィルクの実行犯と、テロ組織のボス・ソフィアが皇帝暗殺の首謀者として描かれています。

実際の事件も、実行犯を含む三人が首謀者とされていて、その主犯格はなんと『ゴールデンカムイ』と同じソフィアという名前の女性だったのです。

『ゴールデンカムイ』は実在した人物をモデルにしたキャラクターが数多く登場しますが、ソフィアもそのうちの一人だったんですね。

そのソフィアのモデルとなった人物については、下記の記事でご紹介していますので、こちらも併せて読んでみて下さい。

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まとめ

  • 『ゴールデンカムイ』のコミックス16巻・17巻でロシア皇帝暗殺について描かれている。
  • 『ゴールデンカムイ』で語られるロシア皇帝暗殺事件は実際に起った出来事。
  • ロシア皇帝暗殺事件が起こった理由は、旧体制を打倒して革命を起こそうとした為。

さて『ゴールデンカムイ』の作中で、皇帝暗殺の首謀者のソフィア、ウィルク、キロランケの3人は逃亡中に長谷川幸一こと鶴見中尉と出会っていますね。

ところでなぜ鶴見中尉は長谷川幸一としてスパイ活動をしていたのでしょうか?

それについては下記の記事でご紹介していますので、こちらもぜひ読んでみて下さい。

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