ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイの有坂成蔵のモデルは実在した有坂成章?元ネタとなるエピソードについても

2020年6月20日

漫画『ゴールデンカムイ』で陸軍の天才的銃器開発者として登場する有坂成蔵は、実在した有坂成章という人物がモデルとなっています。

作中では天才ならではの独特のキャラクターで描かれますが、はたしてモデルとなった有坂成章はどんな人物だったのでしょうね?

この記事では、『ゴールデンカムイ』の有坂閣下のモデルとなった有坂成章という人物について掘り下げています。

『ゴールデンカムイ』の外伝的に読んでもらえると嬉しいですね。

 

『ゴールデンカムイ』の有坂成蔵は実在した有坂成章がモデル

Officer in a uniform, Japan (10797739915).jpg
National Museum of Denmark from Denmark - Officer in a uniform, Japan Uploaded by palnatoke, No restrictions, リンクによる

まずは『ゴールデンカムイ』の有坂閣下こと有坂成蔵について簡単におさらいしつつ、モデルとなった有坂成章がどんな人物だったかご紹介します。

『ゴールデンカムイ』の有坂成蔵について簡単におさらい

『ゴールデンカムイ』に登場する有坂成蔵はコミックス10巻第94話で初登場します。(アニメでは第二期16話)

鶴見中尉と日露戦争時の美しい(?)思い出を語り合いながら、片足を失った部下の二階堂の為に散弾銃を仕込んだ義足をプレゼントしました。

この有坂成蔵は天才的銃器開発者として、鶴見中尉も敬意をこめて有坂閣下と呼んでいます。

※鶴見中尉は、商品として売れる銃器を開発する有坂成蔵が、資金集めの重要人物なのでそう呼んでいるのかもしれませんが。

有坂成蔵は長年の銃器開発の影響で聴力が弱くなっており、必然的にいつも大声で会話をしています。

 

有坂成蔵のモデルとされる有坂成章とはどんな人物か

『ゴールデンカムイ』に登場する有坂成蔵は、有坂成章なりあきらという実在した人物がモデルとなっています。

モデルとなった有坂成章は長州藩(現在の山口県)で生まれ、明治維新後は陸軍に入り新型の銃器開発に従事するようになります。

そうして有坂成章が作り上げた小銃は明治30年(1897年)に陸軍で採用され、その年号から「三十年式小銃」と名付けられ日露戦争で重用されることになりました。

この「三十年式小銃」は開発者の有坂成章にちなんで別名「有坂銃」と呼ばれるようになります。

なお、欧米では有坂成章が開発した「三十年式小銃」や、それを母体とした「三八式歩兵銃」などは秀逸な銃として「アリサカ・ライフル」と呼んで絶賛しました。

このように、『ゴールデンカムイ』に登場する有坂成蔵のモデルである有坂成章も、まさしく天才的銃器開発者だったわけです。

なお、この「アリサカ・ライフル」は現代でも狩猟などに使われるなど、その性能の高さは愛好家の間でも評判のようです。

下記の動画では実際に「三十年式小銃」を撃っています。

 

有坂成章は203高地攻略の影の功労者だった

『ゴールデンカムイ』で有坂閣下のことを「日露戦争の影の功労者」と讃えているように、実在した有坂成章もまさしく「日露戦争の影の功労者」でした。

先程もお伝えしたように「有坂銃」が日露戦争で重用されたこともそうですが、日露戦争で重要なミッションであった203高地の制圧にも大きな功績を残しています。

203高地制圧は、ロシアの固い守りの前に大苦戦を強いられますが、有坂成章は打開策として海岸用の大砲「二十八珊米榴弾砲にじゅうはちさんちめーとるりゅうだんほう」を援護射撃用に転用することを進言し、具体的な移動方法や現地での設置方法を示します。

この有坂成章の進言によって運用された「二十八珊米榴弾砲」の威力が功を奏し、劣勢を跳ね返して203高地を制圧することが出来たのです。

おびただしい数の犠牲者を出したことで知られる203高地攻略の戦いは、この「二十八珊米榴弾砲」が運用されなければ失敗に終わっていたかもしれません。

その意味でも、有坂成章の判断が203高地攻略につながったわけですから、影の功労者だったというのも納得ですよね。

なお、この203高地での悲劇的な状況については下記の記事で触れていますので、併せて呼んでもらえると一層理解が深まると思います。

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有坂閣下の元ネタとなる有坂成章のエピソードを紹介

「有坂銃」を開発した有坂成章にはトップクラスの技術者としてのエピソードがありますのでいくつかご紹介します。

 

没頭して周りが見えなくなるほどのめり込む

有坂成章は40歳にして初めて海外留学をすると、そこで目にした最新技術に驚き衝撃を受けます。

そして日本に帰ってくると、ひたすら設計に打ち込み髭も剃らずに7ヶ月間もこもって銃器開発に没頭していたそうです。

有名な発明家や技術者特有のよく耳にするエピソードですが、やはり有坂成章も優秀な技術者として血が騒いだのでしょうね。

 

有坂成章は勲章などの受章に困惑していた

有坂成章は「有坂銃」の開発や203高地での「二十八珊米榴弾砲」運用などの功績が認められ、軍人にとって最高級の栄誉である金鵄勲章を受章しました。

他にも「男爵」の爵位を与えられたり、勲一等瑞宝章を受章するなど数々の栄誉に輝きました。

しかし、銃器開発での事故や自身が作った銃器で人命が奪われることに悩み、叙勲のたびに困惑していたというエピソードがあります。

『ゴールデンカムイ』の有坂閣下も、自分の作った兵器が売れれば売れるほど多くの人が死ぬことを嘆き「つくづく呪われた仕事だ」と憂いていました。

 

部下の南部麒次郎なんぶきじろうと「三八式歩兵銃」を開発する。

『ゴールデンカムイ』の作中で初めて登場した時、鶴見中尉に新しい銃器として部下の南部と開発したという「三八式歩兵銃」を披露していましたね。

この部下の南部とは南部麒次郎のことで、有坂成章の部下として活躍した実在の人物です。

この南部麒次郎は、有坂成章の跡を引き継ぐように銃器開発に人生を捧げた人物です。

現在でも日本の警察官に正式に採用されている拳銃「ニューナンブM60」の名前は、南部麒次郎の功績を讃えて名付けられたものです。

今なお使われる「三八式歩兵銃」を開発した有坂成章と南部麒次郎は、言わば日本の近代以降の銃器開発の神様と言える存在でしょう。

 

 

まとめ

  • 『ゴールデンカムイ』の有坂成蔵は、実在した有坂成章という人物をモデルにしている。
  • モデルの有坂成章は「有坂銃」の開発者で、日露戦争の203高地攻略の影の功労者でもある。
  • 銃器開発の没頭し過ぎたり、銃器開発に悩んでいたエピソードがある。

この天才的銃器開発・有坂成章が開発した「有坂銃」について書かれた本も出版されています。気になった方はこちらもぜひ読んでみて下さい。

有坂銃―日露戦争の本当の勝因 (光人社NF文庫)

また、『ゴールデンカムイ』で主人公の杉元佐一も参戦した203高地について、下記の記事ご紹介していますので併せて読んでもらえると嬉しいです。

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