人気漫画「鬼滅の刃」に登場する元・音柱の宇髄天元(うずいてんげん)は、自分で「祭りの神」と言っていますが、実は本当に「祭りの神」なのかもしれません。
というのも、日本神話に登場する、とある神様が宇髄天元に重なる部分が多いのです。
この記事では、日本神話を基にその神様について紹介しながら、宇髄天元が「祭りの神」たる由縁について解説しています。
目次
宇髄天元の「祭りの神」発言は鬼滅の刃の何巻?メイン登場巻のストーリーを紹介!
宇髄天元が「祭りの神」発言をしたのはメイン登場巻コミックス9巻の第71話
元・柱の宇髄天元が自分のことを「祭りの神」と発言したのは、メインで登場したコミックス9巻の71話です。
どういう流れでこの発言をしたかおさらいしておきましょう。
宇髄天元が任務の為、女性の隊員が必要になった為、胡蝶しのぶの家に暮らしていたアオイを連れ出そうとしていました。
嫌がるアオイに代わって、主人公の竈門炭治郎らが宇髄天元について行くことにします。
目的地へ向かう道すがら、宇髄天元は竈門炭治郎らに「俺が犬になれといったら犬になり、猿になれと言ったら猿になるのだ!」と、絶対に従うように言います。
そして、「そしてもう一度言う!俺は神だ!」と言うと、あきれる我妻善逸をよそに、素直な(?)竈門炭治郎は、「具体的には何を司る神ですか?」とまじめに質問しました。
すると宇髄天元は「いい質問だ。お前は見込みがある」と言いながら飛び出したのがこの「派手を司る神・・・祭りの神だ」という発言です。
我妻善逸があきれるのもうなずける一コマですね。笑
宇髄天元がメインで登場する遊郭編について簡単に紹介
さて宇髄天元達が向かったのは鬼が棲むという遊郭です。
この遊郭には、宇髄天元の3人の嫁が事前に潜入操作に入っていましたが、このところ音信不通になっていました。
そこで、竈門炭治郎らが女装をして、宇髄天元の嫁達が潜入している店へ潜り込み調査をすることにしたのです。
しかしそこで待ち受けていたのは、遊郭の花魁に化けていた上弦之陸の鬼・堕姫(だき)でした。
初めての上弦之鬼との戦いがここに始まります。
そして「祭りの神」宇髄天元の派手な戦闘シーンは、この遊郭編で見ることができます。
自称「祭りの神」宇髄天元のモチーフとなった神様について解説!
それでは、派手を司る「祭の神」宇髄天元のモチーフとなった神様について解説していきましょう。
宇髄天元のモチーフは芸能の神様・アメノウズメ
さて、宇髄天元のモチーフになったのは、アメノウズメノミコト(以後:アメノウズメ)という神様です。(漢字表記は、天宇受売命または天細女命)
宇髄天元(ウズイテンゲン)・天宇受売命(アメノウズメ)、名前からして漢字の「宇」「天」、読み方の「ウズ」が共通していますよね。
また、アメノウズメは一般的には芸能の神様とされていますが、日本神話においてとても有名な物語に登場し、その物語の祭りの場面で主役級の登場シーンがある為、いわば「祭りの神」ということもできます。
これらのことから、宇髄天元はアメノウズメという日本神話に登場する神様をモチーフにしていると言えるでしょう。
芸能の神様・アメノウズメについて神話から解説!
ではアメノウズメとはどんな神様なのか?登場する神話から解説していきます。
アメノウズメが登場する神話は「天岩戸(あまのいわと)」という神話です。
天皇の先祖にあたり、日本の最高神とされる日の神・天照大御神(アマテラスオオミカミ:以後アマテラス)が、天岩戸に隠れてしまったことで世界は暗闇に包まれます。
困った神々は、天岩戸の前で祭りをすることでアマテラスの気を引き、おびき出して連れ出そうとします。
その祭りで神楽を舞い、そこにいた全ての神々を魅了したのがアメノウズメです。
アメノウズメの舞に歓声が沸き起こり、それが気になったアマテラスが天岩戸から顔を出したので、すかさず連れ出すことに成功しました。
こうして日の神・アマテラスが天岩戸から出てきたことで、再び世界に光が戻ったのです。
このように、アメノウズメは「天岩戸」神話の祭りの中で神楽を舞った神様なので、芸能の神様とされているのです。
また、その後も日の神・アマテラスに仕え、アマテラスの孫である邇邇芸命(ニニギノミコト)が、天上世界から地上世界に降臨する「天孫降臨(てんそんこうりん)」神話にもお供として登場します。
なお、この「天孫降臨」神話で、先導役を務めた猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)と結婚したとされています。
言い忘れましたが、アメノウズメは女神です。
さて、このアメノウズメとはどんな神様なのか、下記の記事で祀られている神社もご紹介しながらもう少し詳しく解説していますので、さらに知りたいと思った人はぜひ読んでみて下さい。
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さて、アメノウズメが仕えた日の神・アマテラスとはどんな神様なのか?
また、なぜアマテラスは天岩戸に隠れてしまったのか?
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以上のことから、宇髄天元が神話に登場するアメノウズメをモチーフにしている、という事はわかってもらえたと思います。
(アメノウズメは女神ですが。。)
さらに補足すると、宇髄天元の左目には太陽(日)をモチーフにしたメイクがされていますよね。
それは、日の神・アマテラスの誕生が「左目」に大きく関わっており、アマテラスに仕えたアメノウズメを連想させるものとも言えます。
このことは下記の記事に書いていますので、興味のある人はぜひ読んでみて下さい。
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「鬼滅の刃」で重要なキーワード「ヒノカミ神楽」「日の呼吸」は「日の神・アマテラス」と何か関係があるのでは?と考察できます。
なぜこれほど「鬼滅の刃」と日本神話を結びつけて考察するかというと、そもそも「鬼滅の刃」は作品のタイトルに「カグツチ」という「火の神」の名前が使われていたかもしれないからです。
これはコミックス1巻の「大正コソコソ噂話」にも書かれています。
このように「鬼滅の刃」と神話に関する考察もしていますので、この記事が面白いと思ったらぜひ読んでほしいです。
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なおこのブログでは他にも「鬼滅の刃」と日本神話にまつわる記事を書いています。
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