天皇記

天智天皇と天武天皇は何をした人物なのか違いや関係をまとめて解説!家系図についても

2020年3月9日

歴史の教科書で序盤に登場する天智天皇と天武天皇は、似たような名前ということもあり、それぞれがどんなことをしたのか分かりづらいかもしれません。

そこで、家系図をもとにそれぞれが何をしたのかをまとめてみました。

歴史の勉強の参考になれば嬉しいですね。

 

天智天皇と天武天皇の関係や違いを家系図から簡単に解説!

天智天皇と天武天皇は飛鳥時代に即位した天皇です。

二人は兄弟の間柄で名前も似ている為、わかりやすく違いをまとめてみました。

 

飛鳥時代の天智天皇と天武天皇の関係を家系図から簡単に解説

兄・天智天皇(中大兄皇子:なかのおおえのおうじ)は第38代の天皇です。

弟・天武天皇(大海人皇子:おおあまのみこ)は第40代の天皇です。

二人は兄弟ですが、あまり兄弟仲はよくなく、天智天皇が後継者を子供の大友皇子に指名したことで古代最大の内乱と呼ばれる「壬申(じんしん)の乱」が勃発します。

そして、この「壬申の乱」で勝利した大海人皇子が天武天皇として即位したのです。

この「壬申の乱」が起こってしまった理由については下記の記事を参考にしてみて下さい。

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兄の天智天皇と弟の天武天皇の違いを簡単に解説

二人とも天皇を中心とした中央集権型の政治を目指したという点では一致しています。

しかし、天智天皇の政治は朝廷内での不和や分裂があったことに加え、後述する「白村江の戦い」によって不満が高まっていました。

一方の天武天皇は、即位後すぐに様々な改革を行い、律令国家としての礎を築いた存在と言えます。

つまり、天智天皇と天武天皇の違いを一言でいうと、天智天皇は中央集権型政治に失敗し天武天皇は成功した、といえるでしょう。

 

 

第38代天智天皇(中大兄皇子)は何をした人物なのか:中央集権型の政治を目指す

天智天皇は、天皇に即位する前は中大兄皇子という名前で、中臣鎌足とともに蘇我氏を滅ぼして大化の改新を行ったことでも有名ですね。

ただ、大化の改新以後にすぐに天皇に即位したわけではなく、天皇としての在位期間は668年~672年までのわずかな期間です。

ここでは天皇に即位する前の中大兄皇子として行ったことも含めてご紹介します。

 

645年:蘇我氏の横行を排除した「乙巳(いっし)の変」

中臣鎌足と共に、朝廷内で力をつけ権力を我が物にしていた蘇我蝦夷と入鹿親子ををクーデターによって排除した事件ですね。

「乙巳の変」は蘇我氏を滅亡させたクーデターのことを指し、政治改革のことを指す「大化の改新」とは区別されます。

この「乙巳の変」については下記の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてみて下さい。

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646年:中臣鎌足との政治改革の功績「大化の改新」

「乙巳の変」によって蘇我氏から実権を取り戻した際に行った政治改革です。
内容は大きく分けて4つあります。

  1. 公地公民の原則
    他の豪族が所有している土地も国の土地とする
  2. 行政区画・軍事・交通制度の制定
    「郡(こおり)」と呼ばれる現在の市町村のような自治体を設置
  3. 班田収授法
    日本で初めての戸籍を作り土地を分け与え税金を取る為の法律
  4. 新しい税制度
    分け与えた土地から獲れた稲を納める「祖(そ)」という税を作る

一言で言うと、天皇を中心とした政権が強力に管理するような政治になったということですね。

 

663年:朝鮮半島での争い「白村江(はくすきのえ:はくそんこう)の戦い」

660年に唐(中国)と新羅(しらぎ)の連合軍によって、日本と友好関係にあった百済(くだら)が滅ぼされました。

百済は復興の為に日本に救援要請をし、これを引き受けて朝鮮半島へ出兵します。

しかし、白村江で唐・新羅の連合軍と戦闘になると敗れてしまい、甚大な被害に遭ってしまいました。

この「白村江の戦い」は、後の大規模な内乱「壬申の乱」が起こった原因にもなります。

そのことについては下記の記事を参考にしてみて下さい。

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防衛拠点の大野城や水城(みずき)の建設や防人(さきもり)の配備

「白村江の戦い」で敗退し、唐・新羅の連合軍が日本へ侵攻してくるのを怖れ、九州の大宰府に大野城という防衛拠点を築き、その近くに水城(みずき)と呼ばれる防衛設備を整えました。

さらに、海岸線には防人(さきもり)と呼ばれる守備兵を置いて、敵の侵略に備えることにしました。

 

天智天皇は大化の改新で中央集権型の政治を目指しますが、朝廷内での混乱や「白村江の戦い」による打激もあり、反感や不満を抱く人も多かったようです。

さらに皇位継承をめぐって、なかば強行的に子供の大友皇子を後継者に指名したことで、のちに古代における最大の内乱「壬申の乱」を引き起こすきっかけを作ってしまいました。

このように見ると、兄の天智天皇の政治は失敗だったように捉えられます。

 

第40代天武天皇(大海人皇子)は何をした人物なのか:律令国家の基礎を築く

天智天皇の弟の天武天皇は、これからご紹介する「壬申の乱」で勝利して天皇に即位し、すぐさま様々な改革を行って律令国家としての基礎を築いた人物と言われます。

672年:「壬申の乱」で勝利し天武天皇として即位

天智天皇の崩御後、皇位継承をめぐって天智天皇の子供の大友皇子と対立し、大規模な内乱に発展します。

この内乱「壬申の乱」で、約1ヶ月にわたる戦いの末に大海人皇子が勝利し天武天皇として即位しました。

この「壬申の乱」がなぜ起こってしまったのか、その理由となる背景やきっかけについては下記の記事でまとめていますので、詳しく知りたい人はぜひ読んでみて下さい。

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新しい身分制度「八色の姓(やくさのかばね)」の制定

これまでの身分制度として「臣(おみ)」「連(むらじ)」という「姓」を授ける氏姓制度があり、有力な豪族に対しては区別なく「姓」を授けていました。

中央集権化を進めるに当たり、より天皇に近い豪族の地位を上げる目的で、新たに「姓」を設け豪族の地位の差別化を図りました。

簡単に言うと、天皇に従順な豪族の地位を上げることが目的の新しい身分制度です。

 

古事記・日本書紀の編纂を命じる

中央集権型の律令国家を目指すに当たり、当時の対外諸国(特に唐)に独立国家として認められるためには、自国の歴史書を編纂することは必須でした。

そこで、各地でバラバラに存在していた記録や伝承をひとつにまとめ、日本の歴史書として「古事記」や「日本書紀」の編纂を命じました。

「古事記」と「日本書紀」はいずれも天武天皇が編纂を命じた歴史書ですが、なぜ同時期に同じ様な歴史書が編纂されたのか?これについては下記の記事で解説していますので、併せて読んでみて下さい。

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飛鳥浄御原令の編纂:初めて「日本」の国号を用いる

律令国家を目指した天武天皇は、その目的を果たすために「飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)」という法令の制定を命じました。

これは体系的な法典としては日本初で、その中で初めて「日本」という国号が用いられ、「天皇」という称号も正式に規定されたようです。

ただ、この「飛鳥浄御原令」は現存せず詳細は不明な部分が多いようです。

 

 

神格化を図った天武天皇の謎と「古事記」「日本書紀」について解説!

天武天皇は、天照大御神(アマテラスオオミカミ)が天皇の先祖とする神道の体系が形成し、伊勢神宮がその天照大御神を祀る神宮として信仰されるよになったのも天武天皇の頃からだと言われています。

このように天武天皇は、天皇を神格化することで天皇の権威を高めようとしました。

神話から続く天皇の歴史を記した「古事記」や「日本書紀」の編纂を命じたのもその一環でしょう。

 

兄の天智天皇は中央集権化の政治を目指すものの失敗に終わり、弟の天武天皇は中央集権型の律令国家の基礎を築いた人物としてご紹介しました。

しかし、こうした印象を受けるのは天武天皇が編纂を命じた「日本書紀」の記述によるもので、もしかすると意図的に天智天皇の評価を下げて書かれたのかもしれません。

当時の先進国の中国の歴史書は、前王朝を批判的に記すのは当たり前のことであり、それにならえば天智天皇についての評価が低いこともうなずけます。

 

さて、天皇の神格化を図った天武天皇は、実は生年月日が不明で謎の多い人物です。

この謎の多き天武天皇が編纂を命じた「古事記」や「日本書紀」は、はたして真実なのか?これについては様々な意見があり、結論は出ていません。

ただ、発掘調査や資料の発見などから歴史が変わることは多々あります。もしかすると今後は今とは異なる歴史認識になるかもしれません。

ですから、歴史に関しては様々な観点から考えることが重要なのかもしれませんね。

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