令和元年10月22日、即位礼正殿の義が執り行われ、天皇陛下がご即位を内外に宣言なされました。
その模様は多くの方が生中継でご覧になったと思います。
その時の神秘的な様子と、奇跡のような虹の光景を記録として書いています。
目次
即位礼正殿の儀 雨模様は「天叢雲剣」の力
関東地方は朝から雨で、「せっかくの儀式なのに雨かぁ」と思った人も多いのではないでしょうか?
しかし、「恵みの雨」とも言われるように、天が降っているのは三種の神器のひとつ「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」の力によるものなのです。
「天叢雲剣」は名前からもわかるように、雨雲を呼び恵みの雨を降らせる力を持っているとされます。
なので、天皇陛下が即位された即位礼正殿義に雨が降っていることは、「天叢雲剣」の力が発揮されているということで、むしろ縁起がいいそうです。
ちなみに、平成の初日も雨でしたし、令和の初日も雨でした。
また、5月4日の一般参賀の最後の15:00の回に私も行きましたが、当日の日中は快晴で暑いくらいだったのに、終わると同時に雨がぽつぽつ降り始めました。
今から思うと「もしかしたら、国民に負担を与えないよう、終わってから雨を降らせたのかな?」と感慨深いものがあります。
(ちょっと考え過ぎかな?笑)
三種の神器・「天叢雲剣」とは?
即位礼正殿の義で雨を降らせた「天叢雲剣」は、皇室に伝わる三種の神器のうちのひとつです。
三種の神器とは?
- 八咫の鑑(やたのかがみ)
- 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
- 天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ) またの名 草薙剣(くさなぎのつるぎ)
天叢雲剣以外の二つは、天皇の祖先である天照大御神(アマテラスオオミカミ)の「天の石屋戸神話」に由来しています。
どんな神話かというと、弟の須佐之男命(スサノオノミコト)の乱暴ぶりに耐えかねて、天照大御神が天の石屋戸に隠れてしまったというお話です。
太陽の神である天照大御神が隠れてしまったことで、世界は暗闇に包まれてしまったので、やおよろずの神々はなんとか天照大御神を外に出そうとしました。
その方法は、外で祭りをしておびき出すというもので、その時に使われたのが八咫の鑑と八尺瓊勾玉です。
天照大御神とはどんな神様なのかは下記の記事にまとめていますので、ぜひこちらを参考にしえみて下さい。
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天照大御神とは天皇の先祖?家系図からわかりやすく簡単に解説!
天皇陛下が即位され、それに伴う一連の儀式がすべて執り行われました。 そのなかで天皇の先祖の神様として、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の名前は度々登場していましたね。 さて、その天皇の先祖の神様・天 ...
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この三種の神器は、天照大御神の孫である邇邇芸命(ニニギノミコト)が地上世界を治める為に、地上世界に降り立った時に天照大御神から譲り受けました。
この邇邇芸命の地上世界の子孫が天皇になるのです。
なお、天照大御神の孫が地上世界に降臨したので、「天孫降臨」と言います。
天叢雲剣とは?
天叢雲剣は、天照大御神の弟である須佐之男命とヤマタノオロチの神話に由来しています。
乱暴をはたらいてばかりの須佐之男命は、天上世界を追放され地上の出雲へと降り立ちます。
出雲の地に降り立つと、泣いている親子がいるので話を聞くと、もうすぐ娘がヤマタノオロチに食べられてしまうと言います。
その娘に恋をした須佐之男命は、ヤマタノオロチを退治することにします。
そして、現れたヤマタノオロチを退治すると、その尾から剣が現れます。
そのヤマタノオロチの尾から現れた剣こそが天叢雲剣(草薙剣)なのです。須佐之男命は、この天叢雲剣を天上世界の姉・天照大御神に捧げることにしました。
また、日本最古の正式な歴史書「日本書紀」では、第12代景光天皇の皇子・ヤマトタケルの物語で天叢雲剣が登場します。
ヤマトタケルが駿河(静岡県)に遠征に出た時、敵に火を放たれ危機に陥ってしまいました。
すると、天叢雲剣が鞘からひとりでに抜け出して、周りの草を薙ぎ払って火を消し難を逃れました。
このことから天叢雲剣を草薙剣と呼ぶようになったと言われています。
ヤマトタケルの伝説についてはこちらを御覧ください。
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ヤマトタケルとはどんな人?死ぬ最期までの伝説と生涯をわかりやすく解説
ヤマトタケルの名前は聞いたことがあるけど、いったいどんな人なのかよくわからない、という人は多いのではないでしょうか? そもそも実在の人物なのか、神話に出てくる登場人物なのか。 この記事では、そんなヤマ ...
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即位礼正殿の儀 天叢雲剣が天照大御神に届いた? 令和の奇跡
さて、三種の神器のひとつである天叢雲剣は、即位礼正殿義に合わせて東京の皇居に運ばれていましたが、普段は愛知県名古屋市の熱田神宮に収められています。
上の雨雲の様子を見てもわかるとおり、皇居のある東京都はすっぽりと雨雲に覆われています。
そして、ふだん天叢雲剣が収められている愛知県名古屋市の熱田神宮は雨雲がかかっていません。
これだけでも、天叢雲剣の力がはたらいているんだなぁと、あらためて日本の神話を意識できました。
ところが、さらにすごいのが、13:00から始まる即位礼正殿義に合わせて、晴れ間が見えただけでなく、虹まで出ていたのです!
即位礼正殿の儀を前に現れた虹に関する記事
これはまさに、荒ぶる神の須佐之男命が姉であり太陽の神・天照大御神に天叢雲剣を捧げた瞬間を意味しているとしか思えません!
日本の神話から続く天皇の歴史。
その神話のとおりのことが現実におこったのですから、これはもう令和の奇跡としか言えません!
そもそも、神話に登場する三種の神器が、今なお受け継がれているという事自体が奇跡です。
それに加えて神話と合わせたかのような展開。
科学では説明できない、まさに神がかった展開を目の当たりにしたわけです。
多分、日本人の多くの人が感動したに違いありません。
即位正殿の儀に天叢雲剣(草那藝之大刀)がある
だから雨が降っている
ただ、天照大御神が祝福するかのように即位正殿の儀が始まると晴れてきて虹もかかってる神話って素敵やね pic.twitter.com/DSlcn2sCPt
— ☕️。゛🦙といちゃん👴⋆͛☽🎐🍃🌙⋈* (@boFiJXQSIxAac5z) October 22, 2019
でも、意外と日本の神話って知らない人が多いですよね。
これを機に、日本の神話に触れてみるのもいいのではないでしょうか?
ダイジェストでまとめましたので、下記を参考にしてもらえると嬉しいです。
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古事記の日本神話のあらすじをわかりやすく解説!流れと登場人物を時系列で
「古事記」は、和銅5年(西暦712年)に編纂された、日本最古の歴史書です。 と言われても、歴史の授業で名前を聞いたことがあるくらいで、ピンとこない方も多いと思うので簡単に言うと、神々の誕生から日本の国 ...
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天皇・神話についてオススメの本
私がこのブログを書くにあたって参考にしている本です。
天皇のこと、日本の神話のことに興味がわいてきたら、ぜひ読んでみて下さい。
令和2年1月10日 追記
現在、東京国立博物館にて、この「即位礼正殿の儀」で天皇・皇后両陛下が使用された「高御座・御帳台」が一般公開されています。
実際に観覧した時の事を下記の記事にしていますので、併せて読んでもらえると嬉しいです。
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東京国立博物館・高御座の一般公開の混雑状況は?行った感想と見どころについても
令和元年10月22日に行われた「即位礼正殿の儀」において、天皇・皇后両陛下がご使用された「高御座・御帳台」の一般公開に行ってきました。 実際に行ってみて、現地の混雑状況やその他の展示品など見どころをご ...
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