麒麟がくる

麒麟がくるの織田彦五郎など織田信長との相関図から対立した人物の関係性を解説!

2020年4月18日

織田信秀が亡くなり家督を継いだ織田信長には、尾張の国の同じ織田家でも敵対する勢力が多くいました。

この記事では、その敵対する勢力である織田彦五郎や岩倉織田家と織田信長の関係や、信長が尾張を統一するまでの経緯を解説しています。

織田彦五郎や岩倉織田家など織田信長との関係を相関図から解説!

織田信長が生まれた尾張の国には、信長が生まれ育った「弾正忠家」以外にも多くの織田家がいました。

まずは尾張にいた織田家について、相関図をもとに整理してみました。

織田彦五郎と織田信長の関係を相関図から解説!

織田家は尾張の国を拠点とする家ですが、その尾張のトップである守護は代々斯波氏が努めてきました。

その守護である斯波氏の下に位置する守護代として清洲織田家と岩倉織田家が歴任しており、尾張下4群を清洲織田家・尾張上4群を岩倉織田家が治めていました。

織田信長の一族の「弾正忠家」は、その守護代である清洲織田家の配下の奉行という位置づけだったのです。

ただ、織田信長の父であり「尾張の虎」と呼ばれた織田信秀の時代に勢力を伸ばし、尾張の国で大きな影響力を持つまでなっていたわけです。

配下の者が自分を押しやって勢力を伸ばしているわけですから、清洲織田家の当主・織田彦五郎は面白くなかったことでしょう。

なお、清洲織田家の配下にあった「因幡守家」「藤左衛門家」「弾正忠家」は「清洲三奉行」と呼ばれていました。

 

岩倉織田家と織田信長の関係を相関図から解説!

織田信長の生家「弾正忠家」は清洲織田家の配下にあり、岩倉織田家の直属の配下ではありませんが、旧来の尾張の国の序列でいえば岩倉織田家のほうが上の身分になるわけです。

当主の織田信安が織田信秀の妹を側室に迎え「弾正忠家」と親戚関係を結んだことで、両家は友好関係にあったようです。

また、幼少の信長とも猿楽を楽しむ仲だったようで、信秀が存命中は表立った争いはありませんでした。

 

 

織田彦五郎や岩倉織田家を破って尾張を統一するまでの経緯を解説!

父・信秀が亡くなると、家督を継いだ信長に対し、尾張の国の身内である織田家からも敵視されるようになります。

信長は、それら敵対関係となった身内を破っていくわけですが、その過程を時系列で簡単に解説していきます。

1554年:叔父の織田信光の活躍などにより織田彦五郎ら清須織田家を破る

1551年に父・信秀が亡くなり、当時「うつけ者」と呼ばれていた信長が家督を継ぐと、上の立場である清洲織田家の織田彦五郎が対立姿勢を鮮明にします。

織田彦五郎は隣国の三河を支配する今川義元とも通じており、織田信長の存在は両者にとって共通の敵だったわけです。

1554年の年が明けても間もない頃、攻勢をかける今川義元軍と「村木砦の戦い」が起こり、信長は出陣の為に居城の那古野城を離れることになります。

この時、今川義元と手を組んだ織田彦五郎がその隙きを狙って那古野城を襲う可能性あった為、信長は義理の父である斎藤道三に留守中の警護を依頼しました。

「村木砦の戦い」にも勝利し、居城の那古野城も無事に守り抜き、信長にとって最初の難関を乗り越えることができたのです。

この「村木砦の戦い」については詳しく知りたい人は下記の記事を参考にしてみて下さい。

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同じ1554年の夏、清洲織田家の家老・坂井大膳が守護である斯波義統しばよしむねを暗殺してしまうという事件が起きます。

この混乱に乗じ、信長の叔父である織田信光の活躍もあり、信長は織田彦五郎を打ち破り清州城を奪うことに成功します。

信長に味方した叔父の織田信光と、織田彦五郎を破った経緯については下記の記事で詳しく書いていますので、併せてこちらも読んでみて下さい。

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1556年:「稲生の戦い」で弟の織田信勝を破り、その後1558年に殺害する

「弾正忠家」にとって主君にあたる織田彦五郎を打ち破った信長ですが、敵は身内にもいました。

実の母である土田御前は信長を毛嫌いする反面、弟の信勝(信行)を溺愛し、信秀の亡き後の家督を継がせようと考えていました。

信勝自身もその思いは同じで、自ら「弾正忠」を名乗ることで自分が当主であるという意思を表明し、信長との対立をあらわにします。

また、「うつけ者」の信長では家中をまとめられないと考えていた家臣もおり、信勝はそうした勢力とともに信長排除に動きます。

こうした動きから兄弟の家督争いは、家中を二分する合戦にまで発展します。

この兄弟による戦いは「稲生いのうの戦い」と呼ばれ、多くの犠牲者を出しながらも信長の勝利で終わります。

本来ならば敗北した信勝は処刑されてもおかしくありませんが、土田御前のとりなしもあって処刑は免れました。

ところが、信勝はなおも信長の排除を狙って謀反を企てた為、それを察知した信長は一計を案じて信勝を殺害したのです。

「実の弟を殺害した信長は極悪非道だ」と思うかもしれませんが、その背景にはこういった事情があったわけです。

なお、信長と土田御前・信勝との関係や「稲生の戦い」については下記の記事で詳しくご紹介していますので、興味のある人はこちらも読んでみて下さい。

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1558年:岩倉織田家の当主・織田信賢を「浮野の戦い」で破り尾張を統一する

岩倉織田家の当主であった織田信安が信長の叔母を側室に迎えたことで、親戚となって比較的友好関係にあったわけですが、それも長くは続きませんでした。

信秀の死後は、家督を継いだ信長に敵対する立場をとり始めたのです。

そうした状況の中、岩倉織田家内では織田信賢が父の信安らを追放するという内輪揉めが起こります。

この流れに乗じて、信長は犬山城の城主・織田信清を味方につけ、岩倉織田家の当主となったばかりの信賢を「浮野の戦い」で打ち破りました。

こうして、対抗していた清洲織田家や弟の信勝に続き、残った敵対勢力の岩倉織田家を破りったことで、信長は尾張の国を統一したのです。

 

 

大河ドラマ「麒麟がくる」での尾張の織田家の家中の戦いも見どころ

これまで強者として男らしい人物として描かれることが多かった織田信長ですが、大河ドラマ「麒麟がくる」で染谷将太演じる織田信長は満面の笑みと涙を見せる場面もあり、まったく違った描かれ方をしていますよね。

父の信秀の死後、信長を取り巻く環境は敵対する勢力との対決が待ち構えているわけですが、はたして染谷将太の織田信長がどのように対峙していくかが注目されるところですね。

特に、檀れい演じる母・土田御前と、木村了演じる弟・信勝との家族との対決も見どころです。

 

さて、このブログでは他にも大河ドラマ「麒麟がくる」の時代背景を取り上げた記事を掲載しています。

登場人物の関係性など、ドラマでは描ききれなかった裏側についても書いていますので、さらに深く楽しみたいと思った人はこちらも併せて読んでもらえると嬉しいですね。

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また、「麒麟がくる」をより楽しむ為に明智光秀が主人公の漫画やドラマ・アニメ作品をまとめましたので、様々な角度から明智光秀という人物を知ると面白いと思います。

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