古事記・日本書紀

編纂1300年の日本書紀の神話のあらすじを現代語訳でわかりやすく解説!

2019年12月19日

2020年は、日本最古の正史(国家の正式な歴史書)・『日本書紀』が編纂されてから1300年の記念の年です。

『日本書紀』は世界の成り立ちから始まり、日本列島と日本の神様の誕生などの神話へと続き、その神話がもとになって現在まで続く「天皇」の歴史へとつながります。

この記事では、『日本書紀』に記されてる神話について、同時代の歴史書『古事記』と比較しながら解説しています。

編纂1300年を迎える『日本書紀』とは?

2020年は『日本書紀』編纂から1300年を迎えます。
まず、そもそも『日本書紀』とは?ということから解説していきます。

『日本書紀』は、西暦720年(養老4年)に編纂された日本最古の正史(国家の正式な歴史書)で、世界の成り立ちから第41代・持統天皇までの記録を全30巻で構成されています。
2020年は、『日本書紀』編纂からちょうど1300年の記念の年でもあります。

西暦681年に、当時の第40代・天武天皇が川島皇子・忍壁皇子らに編纂を命じたのが始まりで、その後約40年間作業が続けられ、最終的に天武天皇の子・舎人親王らが完成させました。

当時は、日本が律令国家として独立した国であること示そうとしていた時代で、正史を編纂することで諸外国(特に中国の王朝)に独立国家として認めてもらう必要がありました。
その目的を果たす為に、正史『日本書紀』が編纂されたのです。

まとめると下記のとおりです。

  • 『日本書紀』は日本最古の正史(国家の正式な歴史書)
  • 西暦720年(養老4年)に完成 ※2020年は編纂から1300年
  • 神話から第41代・持統天皇までの記録
  • 全30巻
  • 天武天皇が編纂を命じ、舎人親王らが完成させた
  • 正史を編纂することで、日本が独立国家であることを示そうとした

同時代に編纂された『古事記』との違いについては、下記の記事にまとめましたので、こちらを参考にしてみて下さい。

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『日本書紀』の神話のあらすじを現代語訳で簡単に紹介!

日本の成り立ちや神様の誕生、そして天皇の誕生へとつながる日本の神話。

正史『日本書紀』では、その神話がどのように描かれているのか、登場する神様ごとのあらすじを簡単にご紹介します。

イザナギ・イザナミとアマテラスオオミカミの誕生の神話のあらすじ

この世界に次々と神様が現れてくる中で、夫婦として誕生した神様がイザナギノミコト(男神)とイザナミノミコト(女神)です。

イザナギとイザナミは、天上世界から地上世界にできたオノコロ島に降り立ち、そこで国となる島を次々と生み出します。
その後、海や川、山を生み出し、木の祖先、草の祖先を生み出します。

イザナギとイザナミは相談して「島や海・川・山を生んだからには、天下の君主となる者を生もう」と決意し、そうして誕生したのが「オオヒルメノムチ」またの名を「アマテラスオオミカミ」です。
イザナギとイザナミは「これほど霊妙な子を生んだのは初めてだ!早く天上世界に送って天上世界のことを教えよう」と言って送り出しました。

続いてツクヨミノミコトを生み、スサノオノミコトを生み出しました。
このスサノオノミコトは、猛々しく残忍な性格で、民を早死させたり草木を枯らしてしまったので、追放してしまいました。

 

アマテラスオオミカミの「天岩戸」とスサノオノミコトの「ヤマタノオロチ退治」神話のあらすじ

スサノオは、追放される前に天上世界にいる姉・アマテラスに会いに行くことにします。

そこでもスサノオは横暴な振る舞いばかりして、その行為がもととなってアマテラスは怪我をしてしまいました。
あまりにもひどいスサノオの振る舞いに嫌気が差したアマテラスは、天岩戸に隠れてしまいました。

すると、国中が暗闇に覆われてしまったので、困った神々は集まって相談していると、知恵の神が「天岩戸の前で祭りをして、アマテラスをおびき出そう」と提案しました。
そして、いざ祭りを始めると、外の様子が気になったアマテラスは天岩戸を開けてのぞきます。
そこをすかさず引っ張り出し、しめ縄で天岩戸を封印しました。

アマテラスが天岩戸から出てきたことで、世界は再び光が戻ったのです。

 

悪事を働いたスサノオは、天上世界から追放され、地上世界の出雲に降り立ちます。
するとそこには泣いている娘とその両親がいました。

泣いている理由を尋ねると、『毎年同じ時期に、怪物「ヤマタノオロチ」がやってきて、娘が食べられてしまった』と言いました。
そして、『もうすぐその時期が近づいていて、最期の娘・クシイナダヒメが食べられてしまうので泣いているのです』と答えました。

美しいクシイナダヒメに一目惚れしたスサノオは、クシイナダヒメを助ける為にヤマタノオロチを退治することを決意します。

まず強い酒を入れた大きな桶を8つ用意し、周りに垣根をめぐらせて、ヤマタノオロチがやってくるのを待ちました。
ヤマタノオロチが来ると、その強い酒をガブガブと飲み始め、酔って寝てしまいました。
その隙きに、持っていた剣で切り裂いて、ついにヤマタノオロチを退治することに成功します。

その後、スサノオとクシイナダヒメは結婚し、二人の間にオオアナムチが生まれました。
※オオアナムチ=オオクニヌシノミコト

 

ニニギノミコトの「天孫降臨」とコノハナサクヤビメの神話のあらすじ

天上世界のアマテラスの息子とタカミムスヒの娘が結婚し、ニニギノミコトが生まれます。
タカミムスヒは孫のニニギノミコトを可愛がり、地上世界を治める統治者にしたいと思うようになりました。

ところが、地上世界は荒ぶる神々がいるので、平定してから送り出そうと使者を送ります。
しかし、いずれの使者も地上世界のオオアナムチに懐柔されて、ことごとく失敗に終わります。

そこで、勇猛なフツヌシとタケミカヅチを使者として遣わすと、オオアナムチを説得して地上世界を平定することができました。

 

こうして地上世界が平定されたので、タカミムスヒは孫のニニギノミコトを九州の高千穂峰に降臨させました。
※一般的には、つ神(天上世界の神)のが地上世界に降臨したので、天孫降臨と呼ばれます。

 

地上世界に降臨したニニギノミコトは、美しいコノハナノサクヤヒメと出会い寵愛するようになりました。
するとコノハナノサクヤヒメは一夜にして懐妊したので、ニニギノミコトはその懐妊を怪しみ「自分の子ではないのではないか?」と疑います。

その言葉に恨み悲しんだコノハナノサクヤヒメは、小屋の中へ閉じこもり「もしあなたの子供なら、火の中でも無事に生まれてくるはずです」と言って、小屋に火を放ちました。
すると燃え盛る火の中でも無事に3人の子供を生んだのです。
こうして生まれたのが、ホノスソリ、ヒコホホデミ、ホノアカリです。

 

ウミサチ・ヤマサチと初代神武天皇の誕生

兄・ホノスソリは海の幸を獲ることが得意だったのでウミサチと呼ばれ、弟・ヒコホホデミは山の幸を獲ることが得意だったのでヤマサチと呼ばれました。

二人の兄弟は、お互いの道具を交換して獲物を獲ることにしましたが、どちらもうまくいきませんでした。
兄のウミサチが釣り針を返してくれと言うと、弟・ヤマサチは、その釣り針を無くしてしまったと打ち明けます。
その代わりに自分の太刀を溶かして新しい釣り針を渡そうとしますが、兄・ウミサチは「もとの釣り針でなければダメだ」と責め立てました。

ヤマサチは兄に責められて悩んでいると、とある老人が「私がうまく取り計らってあげましょう」と言って、ヤマサチをカゴに入れて海へ送り出しました。
すると、美しい浜にたどり着き、海の神のいる宮殿へとたどり着きます。
そして海の神にこれまでの経緯を話すと、海の神は魚達を集めて心当たりが無いか尋ねました。
すると、鯛の喉にその釣り針が刺さっていたのです。

ヤマサチは海の神の娘・トヨタマヒメと結婚し、しばらく海の宮殿で過ごしますが、故郷が恋しくなり帰ることにします。
すると海の神は、ヤマサチに不思議な力を秘めた玉を授け、その玉を使って兄を従えさせなさいと助言しました。
ヤマサチはその助言のとおりにすると、弟を責め立てていたウミサチを素直に従えさせることができたのです。

 

ヤマサチの跡を追って、トヨタマヒメは妹のタマヨリビメを伴ってヤマサチの元へやってきました。
その時トヨタマヒメは懐妊していて、すぐに出産を迎えます。

トヨタマヒメは出産にあたって、「出産しているところは決して見ないで下さい」とヤマサチに念を押して言いました。
ところが、ヤマサチは我慢できずに覗いて見ると、トヨタマヒメは龍神の姿になっていたのです。
その姿を見られて辱めを受けたトヨタマヒメは、海の世界へと帰っていってしまったのです。

この時に生まれたのがウカヤフキアエズで、成人した後にタマヨリビメと結婚します。

このウカヤフキアエズとタマヨリビメの間に生まれたのがカムヤマトイワレビコノミコト、後の初代・神武天皇です。

このように、『日本書紀』では日本の成り立ちから初代・神武天皇誕生までの経緯を神話として書かれています。

 

『古事記』との内容の違い

 

 

『日本書紀』の神話の内容を現代語訳・漫画で書いたおすすめの本を紹介!

神話については、『古事記』の方が重点が置かれているので、一般的な日本の神話というと『古事記』の内容を指すケースが多いです。

ただ、神話とも言える初代・神武天皇から古代の天皇の記録については、圧倒的に『日本書紀』の方が詳しく記されています。

編纂方針の違いからどちらにも特長があり、どちらが正しいということではなく、比較して楽しむことをおすすめします。

 

2020年は『日本書紀』編纂から1300年です。

『古事記』の現代語訳やマンガは読んだことはあるけど、『日本書紀』は読んだことはない、という人もいると思います。

これをきかっかけに『日本書紀』も読んでみてはいかがでしょうか?

     

 

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