徳川家康は幼少期から今川義元のもとで人質として生活をしていました。
幼名は竹千代という名前で、のちに「松平元信」と名乗ります。
この記事では、その名前の由来や、今川家の軍師とも呼ばれた太原雪斎の教えなど、徳川家康の今川家での人質生活の逸話について解説しています。
竹千代から「松平元信」という名前になった由来を解説!
徳川家康の幼名は竹千代といいましたが、今川家で人質生活を送る中、のちに「松平元信」と名乗るようになります。
まずはその名前の由来について解説していきます。
※以後は「松平元信」で表記します。
松平元信(竹千代)が今川義元のもとで人質となっていた理由を簡単に解説
さて、そもそもなぜ松平元信は今川義元のもとで人質生活を送っていたかというと、若くして三河の国の松平家の当主となった父・広忠の時代に、尾張の織田信秀に侵攻されたことがきっかけです。
織田信秀の侵攻に困った父の松平広忠は、隣国で大きな勢力を誇った駿府の今川義元に援軍を要請します。
今川義元はこれに応じますが、その見返りとして息子の松平元信(当時は竹千代)を人質として差し出すことを要求しました。
父の広忠はこれを受け入れた為、元信は今川義元の人質となったわけです。
しかしこの時、敵対する織田信秀と人質・松平元信をめぐって揉めることになりますが、それについては下記の記事でご紹介していますので、こちらを御覧ください。
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竹千代から「松平元信」という名前になった由来を解説
当時は、数え年で12歳から16歳の間に男子が成人することを元服といいました。
駿府の今川義元のもとで暮らしていた竹千代も14歳で元服し、この時に今川義元から「元」の字を偏諱として賜り「松平元信」と名乗るようになったのです。
偏諱というのは将軍や大名の名前の一文字のことを言い、家臣に功績があった際や、子弟の元服の際にその一文字を与える風習がありました。
偏諱を授けるのは限られた人物だけですから、人質とはいえ、今川義元にとって松平元信は重要な人物とみなしていたと考えられます。
松平元信(竹千代・徳川家康)への太原雪斎の教えの逸話を紹介!
今川義元のもとには太原雪斎という優秀な僧がおり、人質として暮らしていた松平元信は、この太原雪斎から様々な教えを受けたことで、のちに天下人となる素養を身につけたという説もあります。
今川義元の軍師と言われた太原雪斎とはどんな人物か簡単に解説
今川義元は今川氏親の子として生まれ、すでに跡継ぎの候補の兄がいたことで仏門に出されます。
この時、富士山麓の善得院(のちの臨済寺)に預けられた幼少の今川義元の教育係となったのが太原雪斎です。
幼少の今川義元と太原雪斎は二人で京都の様々な寺院をめぐって学識を深め、やがて駿府に戻ると、父・氏親が亡くなり家督をめぐって家内で争いになります。
太原雪斎は今川義元が家督を継ぐことに尽力し、晴れて当主となった今川義元も全幅の信頼を寄せます。
今川義元が「海道一の弓取り」と呼ばれるほど勢力を拡大できたのは、太原雪斎が周囲の武田家や北条家との外交を円滑に進めたことがひとつの要因と言えますね。
人質だった松平元信(竹千代・徳川家康)への太原雪斎の教えの逸話を紹介
今川義元の教育係であった太原雪斎は、幼少期から今川家の人質となっていた松平元信に対しても様々な教えを授けていたようです。
なぜ人質である松平元信に対しても教えを授けていたか?
その理由は、一説には今川義元の跡を継ぐことになっていた今川氏真の補佐役に育て上げる為だったとも言われています。
今川氏真は蹴鞠の達人だったとも言われ、和歌など文化的な素養もあったようですが、国を治める大名としての力量は乏しかったようです。
今川家の将来を案ずる太原雪斎としては、幼少期から才能を見せていたであろう松平元信に期待するところもあったのではないでしょうか。
また、一方では今川義元はむごい教育をさせていたという逸話もあり、それについては下記の記事でご紹介していますので、そちらも併せて読んでもらえるとうれしいですね。
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大河ドラマ「麒麟がくる」での松平元信(竹千代・徳川家康)のみどころ
大河ドラマ「麒麟がくる」で、元服後の松平元信(徳川家康)は風間俊介が演じていますね。
徳川家康というと、老獪な大御所の俳優が演じるイメージがありますが、そのイメージを覆すキャスティングですよね。
成人してからの松平元信と、片岡愛之助演じる今川義元の関係や、その今川義元とは因縁の関係にある染谷将太演じる織田信長とのやりとりが楽しみですね。
さて、このブログでは他にも大河ドラマ「麒麟がくる」の時代背景を取り上げた記事を掲載しています。
登場人物の関係性など、ドラマでは描ききれなかった裏側についても書いていますので、さらに深く楽しみたいと思った人はこちらも併せて読んでもらえると嬉しいですね。
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