『ゴールデンカムイ』の21巻で、鶴見中尉は満州とそこで計画されている満鉄(南満州鉄道株式会社)経営について、なんらかの関与があることがあることがわかりましたね。
これは花沢中将との死とも関係があり、満州と満鉄経営はこれからの物語でも重要な鍵を握っていきそうですね。
さて、そんな満州とそこに計画されている満鉄経営とはどんなものなのでしょうか?
史実を踏まえながら解説しつつ、鶴見中尉の野望についても考察しています。
『ゴールデンカムイ』21巻210話で明かされる満州の歴史と満鉄計画について解説!
『ゴールデンカムイ』21巻の210話「甘い嘘」のなかで、鯉登少尉と月島軍曹との会話から、鶴見中尉と満州及び満鉄との関わりが明かされました。
その場面をふりかえりつつ、史実から満州と満鉄(南満州鉄道株式会社)計画についてご紹介します。
尾形から鶴見中尉と満鉄(南満州鉄道株式会社)の関係を知らされる鯉登少尉
樺太の大泊で鶴見中尉を待っている間、鯉登少尉が月島軍曹に向かって気になっていたことを聞き出す場面があります。
鯉登少尉は逃げていく尾形から「鶴見中尉に満鉄のことを聞いてみろ」と言われ、鶴見中尉が満鉄計画に関与していることをほのめかされ、そのことを月島軍曹に確認したのです。
満鉄の経営はうまくいかないと激しく抵抗していたのが花沢中将で、その花沢中将が自刃した(ことになっている)ことによって満鉄計画は一気に進みます。
鯉登少尉は、鶴見中尉が満鉄計画に前向きであったとすれば、厄介者だった花沢中将を殺害したのは鶴見中尉の仕業ではないかと勘ぐり、さらには自分たち親子も利用されているだけなのではないか?と問いただします。
こうした鯉登少尉の問い詰めに否定しなかった月島軍曹は、「いざとなれば消されかねないから黙っていろ」と鯉登少尉に釘を刺したのでした。
ただ、鯉登少尉は「鶴見中尉に利用されている」と怒るより、むしろ「仕込みまでして必要としてくれた」と喜んでいましたが(笑)
満州と満鉄について史実から簡単に解説
引用:Wikipedia
さて、鶴見中尉も関心を寄せている「満州」と「満鉄」について、簡単にご紹介します。
「満州」とはもともと民族の名前のことを指していましたが、19世紀以降の日本では現在の中国東北部の地域を指す名称となりました。
その「満州」の地域・範囲は上記の地図の赤い部分で、薄い赤の部分が「外満州」と呼ばれます。
日露戦争で勝利した日本は、この満州の地域にあったロシアの東清鉄道の旅順から長春の支線を譲り受けます。
日本が満鉄こと南満州鉄道株式会社を設立した目的は、この旅順から長春間の鉄道経営による周辺地域の開発で、それを足がかりとして北東アジアへの領土拡大も視野に入れていました。
また日露戦争後、日本国内では多大な犠牲を払いながらも、賠償金を得られなかったことで報われない人々の不満がつのり、日比谷焼き討ち事件などの暴動が起こる始末でした。
こうした不満を抑える意味でも、満州を「夢の土地」として開拓する狙いがあったと言われています。
つまり、満州と満鉄の経営は日露戦争後の日本にとって、領土拡大とそれにともなう利益によって国内の不満を緩和する為の重要な役割を担っていたわけです。
なお、この満鉄経営にあたり、アメリカの鉄道王のエドワード・ハリマンが資本参入を打診してきますが、外相の小村寿太郎の反対もあり日本はこれを拒否します。
しかし、清への進出を狙っていたアメリカは、この日本側の対応に大きな不満を抱き、これがきっかけとなって日米の摩擦を生む結果となってしまいました。
やがてその摩擦は激しくなり、太平洋戦争(大東亜戦争)へと発展してしまったのです。
鶴見中尉の満州と満鉄への関係から最終的な野望を考察!
鶴見中尉の最終的な野望は満州を支配すること?
『ゴールデンカムイ』の作中で、鶴見中尉は
満州が実質的に日本の地であれば、彼らの骨は日本で眠っているのだ
と、満州が日本の領土となることを望んでいる発言があります。
ただ、鶴見中尉はクーデターを起こして軍事政権を作ることを企んでおり、満州を日本の領土にするというのよりも、自分がつくった軍事政権で北海道から満州まで支配したいという野望を持っているのではないでしょうか。
軍事政権をつくり満州を支配したあかつきには、有坂閣下を抱き込んで北海道に武器製造拠点をつくり、満鉄の鉄道網を使って大陸の国々に武器を輸出する。
こうした構想を描いていたとしても不思議ではないですよね。
ちなみに、銃器作りの天才・有坂閣下は実在の人物がモデルとなっています。
そのことについて下記の記事でご紹介していますので、気になった人はぜひ読んでみて下さい。
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ウラジオストクで死んだ妻や子供の為?
鶴見中尉はかつて長谷川幸一という名前でスパイとしてロシアのウラジオストクに潜伏していました。
そこで秘密警察に見つかり、流れ弾によって妻と子供を亡くしてしまった悲しい過去があります。
ウラジオストクは、ロシアからみて極東地域と言い、日本側からすると外満州の地域に含まれます。
満州が実質的に日本の地であれば、彼らの骨は日本で眠っているのだ
この鶴見中尉の発言は、もしかしたらウラジオストクで亡くなった妻や子供に向けた思いの現れだったのかもしれません。
鯉登少尉が負傷しているにも関わらず、心配する素振りを見せなかった鶴見中尉が、他の日本兵に思いを寄せるとは考えにくいですからね。
鶴見中尉が長谷川幸一としてロシアのウラジオストクでスパイ活動をしていたことについては、下記の記事でもご紹介していますので、おさらいの意味でこちらも参考にしてみて下さい。
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まとめ
- 『ゴールデンカムイ』の作中で、鯉登少尉と月島軍曹の会話から鶴見中尉が満州と満鉄に関心を抱いていることが判明。
- 鶴見中尉が尾形を使って花沢中将を殺害した理由は、満鉄計画に反対していた花沢中将が邪魔だったから。
- 鶴見中尉は軍事政権をつくり、満州も支配しようという野望を持っている?
- 鶴見中尉が満州に関心があるのは、亡くなった妻や子供の為?
はたして鶴見中尉が満州に対してどんな野望を抱いているか?
今後の展開がとても楽しみですね。
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