大河ドラマ「麒麟がくる」で、斎藤道三(利政)演じる本木雅弘さんがが良い意味で怪演していますよね。
特に16回「大きな国」で、昇りゆく日の光を浴びて主人公の明智十兵衛に諭すシーンは、何度見ても見飽きることはありません。
史実では息子の斎藤義龍(高政)に敗れて命を落とすことになる為、本木雅弘さん演じる斎藤道三が見られるのもこれで最後となってしまいます。
別れを惜しむ意味も込めて、「麒麟がくる」での"本木道三"の軌跡を辿ろうと思います。
目次
道三ロスで本木雅弘の斎藤道三が恋しいあなたの為のプレイバック・あらすじ特集!
今回は、第1回と第2回の放送で登場した斎藤道三のシーンを中心に、あらすじを振り返ってみたいと思います。
第1回あらすじ:明智十兵衛(長谷川博己)と斎藤道三(本木雅弘)の出会い
天文16年(1547年)、美濃の明智荘に野盗が現れ田畑を荒らす事件が起こります。
明智十兵衛(長谷川博己)の奮戦もあり、野盗を追い払うことに成功しますが、野盗が持っていた鉄砲の驚異を知り、叔父の光安に訴えかけました。
しかし光安は取り合ってくれなかった為、直接美濃の守護代・斎藤道三(本木雅弘)に鉄砲の驚異を訴えかけようとします。
斎藤道三の居城の稲葉山城の前で待っていると、息子の高政が現れて城の中へと案内してくれることになりました。
槍を振って二人を出迎えた斎藤道三は、おもむろに数珠の玉の数を当ててみろと問うと、明智十兵衛はピタリとその数を当て道三は興味を示します。
幼い頃に高政とともに会っていたものの、元服してからの明智十兵衛と斎藤道三が対面するのはこの時が初めてでした。
明智十兵衛はさっそく鉄砲のことを斎藤道三に伝えると同時に、鉄砲のことを知る為に堺に旅に行かせて欲しいと願い出ます。
必死の訴えを続ける明智十兵ににじり寄ると、斎藤道三は「旅は金がかかるぞ、蓄えはあるのか?」と明智十兵衛も予想していなかった返答をします。
斎藤道三はさらに続けて「そもそも旅の許しを出してワシに何の得があるというのだ」と言い放ちました。
明智十兵衛を旅に出しても自分には何の得にもならず、この珊瑚(数珠の玉)ほどの値打ちもないと言い捨て、さっさと立ち去ってしまいます。
引き下がれない明智十兵衛は、妻の小見の方が病に伏せていると高政から聞いたことを思い出し、「京都に行って名医を探してきます!」と斎藤道三の得になること言って説得します。
すると斎藤道三はニヤリと笑い、明智十兵衛が旅に出ることを許可したのでした。
初めて出会った時から、斎藤道三のケチぶりに首を傾げる明智十兵衛でした。
いよいよ美濃を旅立ち、まず堺に行って鉄砲を探していると、三淵藤英(谷原章介)と松永久秀(吉田鋼太郎)と出会います。
その後、斎藤道三を尊敬しているという松永久秀に気に入られ酒を酌み交わすと、明智十兵衛は酔いつぶれて意識を失ってしまいます。
持っていた銭は無くなっていましたが、傍らには鉄砲が置かれており、ついに鉄砲を手にすることができたのです。
その後、医者を探して京都に着くと、望月唐庵という名医がいると聞きつけ尋ねると、助手の駒(門脇麦)と出くわします。
明智十兵衛は駒に美濃の斎藤道三の妻の病状を伝え、それ相応の金は払うと約束すると、望月唐庵の家まで案内してくれました。
ところが望月唐庵は京都から離れることを拒み、明智十兵衛も望月唐庵の意を汲んで諦めます。
そうこうしていると、どこからともなく野盗が現れ、街中に火をつけて暴れ出します。
望月唐庵が可愛がっていた少女が燃え盛る家の中に閉じ込められてしまうと、それを見た明智十兵衛は決死の覚悟で家に飛び込み、少女を救い出すことに成功しました。
そんな懸命な明智十兵衛の姿を見た望月唐庵は、明智十兵衛と一緒に美濃に行くことを決めたのでした。
第2回あらすじ:土岐頼純(矢野聖人)を茶(伊右衛門??)で毒殺する斎藤道三(本木雅弘)
京都から戻った明智十兵衛を待っていたのは、美濃に侵攻してくる尾張の織田信秀(高橋克典)が率いる大軍でした。
織田信秀との戦を前にして、明智十兵衛は評定の間に控える斎藤道三に帰国の報告と、堺で手に入れた鉄砲を渡します。
斎藤道三は堺の街を見てきた感想を明智十兵衛に尋ねると、「美濃もあのような豊かな街を持ちたいと思います」と応えました。
その言葉を聞いた斎藤道三は「その気持を忘れるな。豊かであれば無用な戦はせずに済む」と微笑みながら明智十兵衛を諭すのでした。
斎藤道三の思いを知った明智十兵衛は、感じ入りながら戦の準備へと立ち去ろうとします。
ところが、すかさず斎藤道三は「旅の金は足りたか?すぐにとは言わぬが半分返せよ。返せぬようなら戦で返せ。今回の戦で侍大将の首を二つ獲れば帳消しにしてやる」と、自分の思いのたけを帳消しにするようなケチぶりを発揮してしまうのでした。
ついに織田信秀の軍勢は美濃の稲葉山城の城下町まで押し寄せ、明智十兵衛も侍大将の首二つを獲るために奮戦します。
いくつかの拠点が落ちたとの報告もあり、やや押され気味の展開になると、斎藤道三は突如兵を引いて籠城するように命令を下します。
あまりにも早い籠城の命令に、家臣の稲葉良通(村田雄浩)や明智十兵衛は不満を漏らしました。
稲葉良通や高政らを集め"水の入った"盃を交わしていると、稲葉良通は「こんなものを飲めとは殿も人が悪い」と皮肉たっぷりに言いました。
すると斎藤道三は、「城内に乱波(らっぱ:忍び)がうようよしている。それらをたぶらかせねば。今、相手は油断している。今が攻め時じゃ」と言ってた立ち上がると、「籠城はここまでじゃ!音もなく風のように追うのじゃ!」と大喝して反撃の命令を下します。
そう、あっさりと籠城作戦を決めたのも、"水の入った"盃をかわしていたのも、全ては相手を油断させる為の「道三の罠」だったのです。
油断しきった織田信秀の軍勢に不意打ちをかけると、圧倒してそのまま織田信秀の居る本陣近くまで攻め入ります。
追い詰められて引き上げる織田信秀の姿を見て、斎藤道三は勝ち誇った表情を浮かべながら勝鬨を上げたのでした。
一方、ミッションである侍大将の首を狙う明智十兵衛は、相手を追い詰めて首を落とそうとすると、その侍大将の顔は叔父の光安にそっくりだった為、戸惑いながらもトドメをさし戦場を後にします。
合戦のあと、美濃の守護・土岐頼純(矢野聖人)は戦勝祝いと称して斎藤道三のもとを訪れます。
しかし、同席した土岐頼純の"妻"の帰蝶(川口春奈)は、なぜ加勢をしなかったのかと"夫"の土岐頼純を罵ります。
斎藤道三は帰蝶をなだめて席を外すように促すと、対面した土岐頼純に対し「今回の戦はあなたが"道三を倒せば美濃の領地を与える"と言って織田信秀をそそのかしましたな」と、証拠の書状を突き出し、事の次第を問いただします。
すると、逆上した土岐頼純は「土岐家と美濃を飲み込むマムシめ!この成り上がりもの!」と激しく罵倒し、そそくさと立ち去ろうとします。
黙って聞いていた斎藤道三ですが、城から出ようとする土岐頼純に向かって一喝し、再び座につくよう促します。
渋々座り直した土岐頼純に対し、今度は「貴方様にも色々不満はござりましょう。それを今日はじっくりとお聞かせ願いとうございます。まずは心を落ち着け、茶などお召し上がり下さい・・・」と、さも同情するかのごとく振る舞います。
そうして斎藤道三は自ら茶を立て始め、そっと土岐頼純に差し出すと、思い出したように近頃村で流行っているという唄を歌い始めます。
土岐頼純は言われるがまま差し出された茶を飲み干すと、急に身体の異変をきたし始めます。
不審に思った土岐頼純は、そしらぬ顔で唄を歌う斎藤道三ににじり寄りますが、言葉を発することもできず悶え苦しみ、そのまま息を引き取ってしまったのです。
茶で土岐頼純を毒殺した斎藤道三演じる本木雅弘は、お茶の「伊右衛門」のCMにも出演していることから、ツイッターなどのSNSでは「あのお茶は伊右衛門か?」と言った話題で持ちきりになりましたね。
以後、「本木雅弘の斎藤道三」=「茶(伊右衛門?)で毒殺」が定着するほどの印象的な名シーンとなりました。
斎藤道三(本木雅弘)はなぜ土岐頼純(矢野聖人)をお茶で毒殺したのか?相関図から解説!
斎藤道三が土岐頼純を毒殺したシーンはとても印象的で、序盤の名場面とも言えるのではないでしょうか。
ところで、なぜ斎藤道三と土岐頼純は関係が悪かったのか?そしてなぜ斎藤道三は土岐頼純を毒殺してしまったのか?
筆者もリアルタイムの放送ではわかりずらかったので、あらためて関係性を調べてみました。
守護代・斎藤道三は、美濃の守護・土岐頼純の配下にあるが実権を握っている
戦国時代において、各国を治めているのは「守護」と呼ばれる人物でした。
「守護」とは、現在で言えば各都道府県の知事にあたる存在ですが、実際は名ばかりで美濃はその配下にある「守護代」の斎藤道三が実権を握っていたのです。
斎藤道三は油売りの父親から親子二代で成り上がり、土岐頼純の父・頼武や叔父の頼教を排除して美濃を我が物のようにしました。
とはいえ、美濃は代々土岐家が守護の座に就く習わしがあった為、斎藤道三はやむなく一時的に土岐頼純を守護に当てました。
そして、自らの地位と土岐家との関係性を強化するために、娘の帰蝶を土岐頼純の妻に差し出したのです。
斎藤道三が毒殺を企てたのは、反抗的な土岐頼純のことが邪魔だったから
しかし、傀儡のように扱われていた土岐頼純は、常日頃から斎藤道三に反感を抱いており、なんとか斎藤道三を排除しようとしていました。
そこで、斎藤道三と敵対する尾張の織田信秀に声をかけ、「斎藤道三を倒せば美濃の土地を分け与える」と密約を交わしたのです。
今回、織田信秀が美濃に攻め込んできたのは、こうした土岐頼純との密約があったからなんですね。
斎藤道三はこの戦いに勝利すると、反抗的な土岐頼純の事がいよいよ邪魔だと思い、自らの居城・稲葉山城で茶(伊右衛門?)に毒を持って殺害してしまったのです。
この記事では、本木雅弘さん演じる斎藤道三を中心に「麒麟がくる」の第1回と第2回のあらすじを振り返りました。
他にも登場人物の関係性など、ドラマでは描ききれなかった裏側についても書いていますので、さらに深く楽しみたいと思った人はこちらも併せて読んでもらえると嬉しいですね。
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