大河ドラマ「麒麟がくる」で、織田信秀と今川義元との間で人質となっている竹千代(のちの徳川家康)が登場していますね。
「なぜ竹千代は織田家や今川家の人質になっているのだろう?」と思った人もいるのではないでしょうか。
この記事では当時の状況を踏まえながら、なぜ竹千代が人質になっていたかを解説しています。
目次
竹千代(徳川家康)はなぜ今川義元の人質になったのか解説!
もともと竹千代は松平家から今川家に人質に出されるのですが、そうなってしまった理由を解説していきます。
松平清康の死後、松平家の勢力が弱まってしまった
竹千代(徳川家康)の祖父である松平清康の時代に、三河の国一帯を治めるほどに勢力を拡大します。
近隣の尾張の国の織田信秀が、美濃の斎藤道三と対立して苦戦している最中、松平清康はその隙きをついて尾張に侵入し、織田信秀の弟・信光の守る守山城に攻め込みました。
ところが、この城に攻め込んでいる最中になんと家臣の裏切りにあい斬り殺されてしまいます。
この事件は「森山(守山)崩れ」と呼ばれ、清康を失った松平家はこれ以後急速に勢力が弱まってしまいます。
織田信秀に攻め込まれた松平広忠が今川義元に助けを求め、代わりに竹千代を人質に差し出した
松平清康が「森山(守山)崩れ」で命を落とした時、竹千代の父である松平広忠はまだ幼かった為、松平家の家中は混乱に陥ってしまいます。
その後、三河を虎視眈々と狙う尾張の織田信秀は、1545年についに三河に侵攻してきます。
この織田信秀の侵攻に対し、独力では対抗できないと判断した松平広忠は、駿河の今川義元に援軍を要請しますが、その見返りとして竹千代を人質に差し出すことを迫られます。
織田信秀からの圧力もあり、松平広忠はやむなく竹千代を人質に差し出すことを受け入れ、こうして竹千代は今川義元の元へと送られる事になったのです。
「麒麟がくる」では、なぜ竹千代(徳川家康)は織田信秀の人質になっていたのか解説!
竹千代は今川義元の人質となったわけですが、大河ドラマ「麒麟がくる」では織田信秀の人質として登場しますよね。
今川義元の人質のはずの竹千代が、なぜ織田信秀のもとにいるのか?その理由について解説していきます。
竹千代強奪事件:今川義元の元へ向かう途中に織田信秀のもとへ金で売られてしまった
松平家から今川義元の元へ人質に出されることになった竹千代は、三河から駿府へと送り届けられる手はずになっていました。
その時、竹千代を送り届ける任務にあたっていた戸田康光は、なんと竹千代を永楽銭千貫文で織田信秀に売り渡してしまったのです。
1547年に起こった竹千代をめぐるこの一連の騒動は「竹千代強奪事件」と呼ばれ、織田信長と帰蝶が結婚する1549年から遡ること2年前の出来事です。
「麒麟がくる」で織田家の人質として登場する竹千代には、こんな背景があったのですね。
その「麒麟がくる」の第4話で、明智光秀と菊丸が織田家に忍び込み竹千代と出会うシーンがありますが、その時の菊丸(岡村隆史)は竹千代を案じる表情が印象的でした。
これらのことから岡村隆史演じる菊丸の正体は、のちの徳川家康と深い関係にある人物だと推測できます。
そのことについては下記の記事でふれていますので、気になった人はぜひこちらも読んでみて下さい。
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織田信秀の子・織田信広と人質交換によって今川義元の元へ
その後も対立を続ける織田信秀と今川義元は、再三にわたり衝突を繰り返します。
1549年11月、今川義元の配下にいた太原雪斎(たいげんせっさい)は、織田信秀の子供であり信長の母違いの兄・信広が守っている安城城に攻め込みこれを陥落させると、信広を生け捕りにして人質にとります。
今川義元は人質にとった織田信広と引き換えに竹千代を譲り渡すことを迫り、これに織田信秀も応じた為、竹千代は今川義元のもとへと送られることになりました。
竹千代は幼少期から今川家と織田家の対立の間で人質として苦難の生活を送ってきたのですね。
のちに徳川家康として天下を取るわけですが、我慢強く耐え抜く強さはこの時の苦労があったからなのかもしれませんね。
織田信広との人質交換のその後:竹千代はどうなったのか
今川義元のもとに送られた当時、竹千代はまだ10歳にも満たない子供でした。
その後しばらく今川義元の元で暮らし、元服の際には今川義元の名前の一文字をとって「次郎三郎元信」と名乗り、その後祖父・清康の名前から一文字とり「蔵人佐元康」と名乗るようになります。
また、この時期に今川義元の姪である瀬名姫(築山殿)を妻に迎えています。
ちなみに、幼少期には人質としての竹千代に対して、今川義元は「むごい教育をしろ」と家臣に命じたという逸話があり、これは今でも学校などで有名なエピソードとして広まっています。
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では、竹千代はいったいいつ今川家の人質から抜け出したかというと、それはかの有名な「桶狭間の戦い」で織田信長が今川義元を破った後です。
これをきっかけに今川家から独立し、今川家と対立関係にあった織田信長と手を結んでいくわけです。
家臣としての明智光秀と、同盟関係になる徳川家康は織田信長を通じて接点があり、今後の「麒麟がくる」の放送ではどのように描かれていくのか楽しみですね。
さて、このブログでは他にも大河ドラマ「麒麟がくる」の時代背景を取り上げた記事を掲載しています。
登場人物の関係性など、ドラマでは描ききれなかった裏側についても書いていますので、さらに深く楽しみたいと思った人はこちらも併せて読んでもらえると嬉しいですね。
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