「鬼滅の刃」の最大の黒幕・鬼舞辻無惨の側近とも言える上弦の肆の鳴女の正体は、実は鳥の雉(キジ)です。
どういうこと?と思った人は、その理由を書いていますのでぜひ読んでみて下さい。
※あくまでも筆者の考察です。
目次
「鬼滅の刃」の黒幕・鬼舞辻無惨の側近の鳴女について能力などを簡単におさらい
鳴女の初登場はコミックス第6巻51話:空間を操る能力を持っている
鳴女が物語の中で初めて登場したのはコミックス第6巻51話で、下弦の伍の累を倒した後、最大の黒幕・鬼舞辻無惨が下弦の月だけ招集した際に傍らにいました。
この場面で鳴女が琵琶を引いて空間を操る能力があることがわかります。なお、この時点では十二鬼月には入っておらず、前髪で顔を隠している状態でした。
その後、炭治郎をはじめ音柱の宇髄天元などの活躍により、上弦の陸の堕姫と妓夫太郎を倒すことができました。
上弦の鬼を倒すのは実に113年ぶりのことで、これに激怒した鬼舞辻無惨は上弦の鬼を招集し、容赦ない言葉を投げかけます。
この時も鳴女は鬼舞辻無惨のそばにおり、琵琶を引くことで上弦の鬼達を他の空間に瞬間移動させる能力を発揮していましたね。
常に黒幕・鬼舞辻無惨のそばにいる鳴女は偵察能力も持っている
刀鍛冶の里で半天狗との戦いのあと、禰豆子が太陽を克服したことがわかると、鬼舞辻無惨は禰豆子と産屋敷を探し出すことに全力を投じます。
その際、鳴女は目玉のような刺客を放ち、6割ほどの鬼殺隊員の居所を突き止めたのです。
このように、鳴女は空間を操る能力だけでなく、偵察する能力を持っていることがわかりますね。
なお、上弦の鬼であっても容赦のない鬼舞辻無惨も、この鳴女の能力は高く評価しており、倒された半天狗に替わって上弦の肆に格上げしています。
鳴女の正体が雉(キジ)と言える理由を『古事記』の神話「国譲り」から解説!
「鬼滅の刃」の黒幕である鬼舞辻無惨の側近とも言える鳴女の正体は、本編では明らかにされていません。
ただ、この鳴女のモデルになったであろう存在については、日本最古の歴史書『古事記』に書かれている神話「国譲り」から推察できます。
それではそのモデルになった存在について解説していきましょう。
鳴女の正体を解く鍵:『古事記』の「国譲り」神話を簡単に解説
まずは、『古事記』に書かれている神話「国譲り」とはどんなストーリーか簡単に解説します。
『古事記』の世界では、天上世界の高天原(たかまがはら)と地上世界の葦原中国(あしはらのなかつくに)という世界があり、高天原にいる神様を天津神(あまつかみ)と呼び、葦原中国にいる神様を国津神(くにつかみ)と呼びます。
葦原中国は、出雲大社に祀られる神様の大国主命(オオクニヌシノミコト)が国を造り上げ、賑わいのある国を完成させました。
ところが、高天原の最高神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、葦原中国も本来は天津神の自分たちが治める国だとして、大国主命に使者を遣わして葦原中国を譲るように申し入れました。
しかし、大国主命はこの使者をうまく懐柔することで、この「国譲り」の申し入れを拒否します。
ただ、その後も天照大御神は使者を派遣し続け、最終的に建御雷神(タケミカヅチノカミ)が大国主命の子である八重事代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)と建御名方神(タケミナカタノカミ)の首を縦に振らせ、ついに大国主命もこれを承諾して「国譲り」の交渉は成立したのです。
この時、大国主命が国を譲るかわりに、自分を祀る為の天高くそびえる社(やしろ)を建てることを条件として取り付けました。
この「国譲り」の条件として建てられた天高くそびえる社こそ、今なお存在する出雲大社なのです。
天照大御神が大国主命のもとへ偵察の為に派遣した雉(キジ)が鳴女
さて、この「国譲り」で最初に大国主命のもとへと派遣された天照大御神の使者は、大国主命にうまく丸め込まれ3年間も音信不通になってしまいました。
次に派遣された使者にいたっては、8年間も音沙汰がありませんでした。
さすがに不審に思った天照大御神は、大国主命へ派遣した使者の様子を偵察する為に、鳴女と呼ばれる雉(キジ)を遣わすことにしたのです。
そうです、神話「国譲り」で登場する鳴女とは、使者を偵察する為の雉(キジ)のことを言い、その「偵察する」という能力と名前からして、「鬼滅の刃」に登場する上弦の肆の鳴女のモデルであろうと考えられるわけです。
なお、神話「国譲り」の鳴女は、大国主命に丸め込まれた使者の放った矢によって、かわいそうにも死亡してしまいます。
ご主人様の為に忠実に働いていたにも関わらず、最後はかわいそうな運命をたどってしまったのです。
鳴女の正体以外にもある「鬼滅の刃」の秘密を紹介!
さて、鳴女の正体は『古事記』の神話「国譲り」に登場する雉(キジ)をモデルにしているということはわかって頂けたと思います。
実はこれ以外にも「鬼滅の刃」と『古事記』に関係することがいくつかあるのです。
例えば音柱の宇髄天元は、天照大御神に仕えた神様をモデルにしていたり、物語の序盤に登場する錆兎と真菰は大国主命と関係があります。
これらのことは下記の記事で紹介していますので、気になった人はぜひ読んでみて下さい。
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いかがでしょうか。こうしてみると、「鬼滅の刃」は日本の神話と深い繋がりがあるだけでなく、神社とも関係があることは下記の記事からもわかります。
もしや「鬼滅の刃」の聖地?
…とファンの間で話題になっている場所が福岡にあります。
記者が「俺が挫けることは絶対ない‼」と言いながら取材しました。#鬼滅の刃https://t.co/KzRbZ4Pc4B— 西日本新聞社会部 (@nishinippon_sha) January 29, 2020
日本の神様やそれにまつわる神話・神社は、日本最古の歴史書である『古事記』を読むことでさらに深く知ることが出来ます。
一味違う「鬼滅の刃」の楽しみ方をするのであれば、ぜひ『古事記』を読んでみてはいかがでしょうか。
初めて『古事記』に触れるという方は、まずは動画で見てからのほうがわかりやすいかもしれません。
『古事記』入門編としてのオススメの動画をまとめていますので、こちらも参考にしてみて下さい。
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当ブログではこうした『鬼滅の刃』と日本神話の関係についての記事を掲載しています。
あまり知られていない日本神話と照らし合わせると、一味違った楽しみ方ができると思うので、ぜひこちらも読んでみて下さい。
↓鬼滅の刃と日本神話との関係についてはコチラ↓