ときおり耳にすることがある「女性天皇」と「女系天皇」という言葉。
今年5月に新しい天皇陛下が即位されたばかりなのに、「次の天皇は愛子様にすべき」とか「女系天皇を認めなければ皇統の危機」などと言うメディアがありました。
それとともに言われるのが「女性差別だ!」といった批判です。
しかし、これらの発言の意図は、皇統の断絶や天皇制を廃止したいという思惑が根底にあります。
ところで、「女性天皇」と「女系天皇」という似たような言葉ですが、いったいどう違うのでしょうか?
また、ではなぜ「女系天皇」はダメなのでしょうか?
「女性天皇」と「女系天皇」の違いとは?
女性天皇とは?
その名のとおり、女性の天皇です。
歴史の教科書で習う第33代推古天皇は初めての「女性天皇」で、その後も何名かの「女性天皇」は存在します。
ただし、現行の皇室典範では「皇統に属する男系男子のみ」となっている為、現在は「女性天皇」は認められていません。
「かつては女性天皇も存在したのだから、現行の皇室典範がオカシイんじゃないか」
「皇室典範を変えれば、愛子様が天皇になっても問題ないじゃないか」
「愛子様を天皇にしないのは女性差別じゃないか」
これらの疑問に答えると、皇室典範を一部改正すれば、愛子様が天皇になることは可能です。
男性天皇の血をひいている「男系天皇」だからです。
実際、日本の歴史上8人10代の天皇がいたことからも、それは明らかです。
※2名の天皇が「重祚:再即位」した。
ただし、孝謙天皇以降の女性天皇は生涯独身を貫いており、慣例として「女性天皇は結婚しない」ことになっています。
愛子様が天皇になったら「天皇になったことで結婚しない」ので、それは「女性差別」うんぬんの前に愛子様個人にとって不幸なことではないでしょうか。
ではなぜ女性天皇は結婚しないのか?それは下記の記事を読んでみて下さい。
-
生涯独身を貫く 女性天皇はなぜ結婚しないのか
西暦2019年5月1日に新しい天皇陛下が即位され、令和の時代が始まりました。 令和の時代が始まったばかりなのに、次の天皇の話題を持ち出すメディアもありましたね。 それとともに言われるのが「愛子様が次の ...
続きを見る
女系天皇とは?
最初に言っておくと、日本の歴史上「女系天皇」は存在しません。
そもそも「女系天皇」とはどういうことを意味するのでしょうか。
ネットのニュース番組「真相深入り!虎の門ニュース」で、百田尚樹氏が図解していましたのでその図を参考に説明しますね。
ここではサザエさん一家を例に挙げて説明します。
波平が現在の天皇陛下だとします。
仮に波平さんが突如亡くなってしまったとして、時期天皇はサザエ、カツオ、ワカメの中から選ばれます。
先程も言ったとおり、現行の皇室典範を一部改正すれば、男系の「女性天皇」は可能なのです。
ただし、サザエさんが天皇になったとしても、「女性天皇:女系血統」の子であるタラちゃんは天皇にはなれません。
天皇とは万世一系(男系血統:父親をたどっていくと初代神武天皇にいきつく)であり、タラちゃんの男系血統はマスオさんの「フグタ」家だからです。
「女系天皇」とは、サザエさん一家でいうところのタラちゃんのことです。
ですから、サザエさんが天皇になったとしても、その次の天皇はカツオかワカメ、もしくはカツオの子でなければなりません。
もしカツオに子ができなかった場合は、この図には載っていませんが、波平さんの兄弟である海平さんの子孫から、該当する天皇を選ぶことになります。
つまり、天皇は前天皇の実子の男性でなくてもよいのです。
ここ何代も天皇の実子の男性が次の天皇になっていたので、勘違いしている人は多いのではないでしょうか。
過去にも万世一系の天皇の世継ぎで危機に直面したことがありました。
第25代武烈天皇に男の子がいなかった為、5代さかのぼって男系血統の継体天皇が第26代天皇に即位したという歴史があります。
天皇とは万世一系であることが大前提としてあり、建国以来どんなことがあろうとも、ずっとそれを守り通してきたのです。
ですから「女系天皇」は日本の歴史においてありえないのです。
「女系天皇」がなぜダメなのか
天皇とは万世一系(男系血統:父親をたどっていくと初代神武天皇にいきつく)が大前提であり、日本の建国以来どんなことがあっても、それを守ってきた歴史があります。
日本の歴史において「女系天皇」とはありえないことで、極論すれば天皇制の廃止を意味し、建国以来2000年以上にわたる世界最古の王朝の終焉を意味します。
メディアが軽々しく簡単に言いますが、これはとんでもないことだと思いませんか?
ではなぜそんなことをメディアが言うのでしょうか?
これは憶測ですが、韓国や中国と深いつながりのある日本のメディアが、天皇の存在をなくしたいと望んでいるからです。
韓国問題の記事で触れたように、朝日新聞は韓国や中国と密接な繋がりをもち、日本を貶めるような記事ばかりを掲載してきました。
天皇の歴史はすなわち日本の歴史です。
日本を貶める為なら、天皇をなくしてしまいたいと考えるはずです。
「女系天皇」という造語を持ちだすことで、建国以来続いてきた万世一系の天皇を途絶えさせようとしているのではないでしょうか。
ひいてはそれに乗じて「天皇は形骸化した」「天皇の歴史の終焉」と書き立て、天皇制の廃止を目論んでいるようにも思えます。
朝日新聞をはじめとする多くのマスメディアの横暴は、近年のネット情報の拡散でどんどん暴かれています。
こうしたマスメディアの横暴に惑わされない為にも、「女性天皇」と「女系天皇」の違いについて覚えておいてほしい問題です。
天皇について、もっと詳しく知りたい方へ
こちらの書籍を参考図書にしています。
天皇のことについて、もっと詳しく知りたい方はぜひ読んでみて下さい。