戦国時代

伊達メガネや伊達男・伊達巻の語源や由来は派手でおしゃれな伊達政宗!兜の三日月の意味についても

2020年6月9日

何気なく使っている「伊達メガネ」や「伊達男」「伊達巻」といった言葉の「伊達」とは、実は戦国武将の伊達政宗に由来しています。

なぜ「伊達」という言葉が使われるようになったのか、その語源や意味を解説しています。

 

「伊達メガネ」や「伊達男」「伊達巻」の語源や由来は派手でおしゃれな戦国武将・伊達政宗!

伊達政宗が語源の「伊達男」の由来や逸話を紹介

男らしくておしゃれな男性のことを「伊達男」と言いますが、これは戦国武将の伊達政宗に由来しています。

伊達政宗は特徴的な兜や派手な衣装を好んでいたことでも有名で、奇抜な言動や目立つ衣装を好む「傾奇者」と呼ばれることもあります。

伊達政宗は、豊臣秀吉に謀反の疑惑をかけられ呼び出しをうけると、なんとまるで死装束のような真っ白な陣羽織をはおり、家臣には磔にする柱を引かせて秀吉の前に現れたのです。

「自分の死に様を覚悟している」と言わんばかりのド派手な演出を見た秀吉は、そのパフォーマンスと度胸を買って許すことにしました。

こうした派手な逸話もある伊達政宗に由来して、男らしくおしゃれで派手な男性を「伊達男」と呼ぶようになったのです。

 

伊達政宗が語源の「伊達メガネ」の由来を解説

もともとは「立つ」が語源で、これは「引き立てる」「男を立てる」という意味の「立つ」のことです。

つまり「引き立てるメガネ」だったわけですが、それが「立てるメガネ」→「立てメガネ」→「伊達メガネ」となったわけです。

「伊達男」という言葉の由来のとおり、伊達政宗の「伊達」はおしゃれという意味もあるので、それが語源となって「立て」が「伊達」と変わっていったのです。

あまり意識せずに使っている「伊達メガネ」という言葉も、実は伊達政宗に由来しているんですね。

 

おせち料理の定番「伊達巻」も伊達政宗に由来

おせち料理の定番「伊達巻」も実は伊達政宗に由来しています。

「伊達巻」は色鮮やかな黄色をしていて派手な卵焼きですよね。

もうおわかりかと思いますが、「伊達」という言葉には伊達政宗に由来した「派手」という意味があり、「派手な色で巻いた卵焼き」が転じて「伊達巻」となったわけです。

様々なところで「伊達」という言葉が使われいて、いかに伊達政宗が派手でおしゃれであったかがわかりますね。

 

「伊達ではない」という言葉の由来にも

「伊達ではない」という言葉は、「見掛け倒しではない。外見が派手なだけではなく実力がある」といった意味で用いられる表現ですね。

この表現に使われる「伊達」も、「伊達」=「派手」という認識が定着して使われるようになった言葉です。

「伊達」=「派手」という共通認識は言葉にまで浸透しているわけですね。

 

 

伊達政宗を象徴する特徴的な三日月の兜の意味を解説!

伊達政宗といえば大きな三日月の兜が象徴的ですよね。

実はその兜の三日月にはとある意味が込められています。

それはそんなことなのかご紹介します。

伊達政宗の兜の三日月の前立てに込められた意味を解説

伊達政宗が誕生した当時、北極星を神格化し「妙見菩薩みょうけんぼさつ」を軍神と崇める「妙見信仰」が流行っており、太陽・月・星といった天体をシンボルとしていました。

「妙見信仰」とはインド発祥の菩薩信仰が中国で道教の北極星・北斗七星信仰と習合し、仏教の一つとして日本に伝来したものです。

父の伊達輝宗は息子・正宗の誕生に際し、この「妙見菩薩」のシンボルである太陽をモチーフにした「白地に赤丸」の旗印を考案します。

それと対になるように月を兜の前立てしつらえ、太陽と月という妙見菩薩のシンボルを取り入れることで武勇のご加護を祈念したわけですね。

ちなみに、日本では仏教の菩薩と日本固有の神様を同一視することが多々あり、この「妙見菩薩」は「天之御中主神あめのみなかぬしのかみ」という神様と同一視されています。

この「天之御中主神」は、天地開闢てんちかいびゃく(世界の始まり)の最初に誕生した神様とされており、いわば始祖の神様とも言える存在です。

始祖の神様・天之御中主神は意外なところでもつながっているので、興味のある人は下記の記事も読んでみて下さい。

おすすめ
NARUTO(ナルト)大筒木カグヤの術(技)・天之御中(あめのみなか)を日本神話から解説!

NARUTO(ナルト)には数多くの忍術が登場しますが、中には日本最古の歴史書『古事記』に書かれている神話が元ネタになっている術もたくさんあります。 この記事では、そのうちのひとつ大筒木カグヤが使った「 ...

続きを見る

 

伊達政宗の兜の実物は仙台市博物館に展示される

戦国武将の鎧のことを「具足ぐそく」と呼び、伊達政宗の象徴的な兜と対になる具足は「黒漆五枚胴具足くろうるしごまいどうぐそく」と言い、実物が仙台市博物館に所蔵されています。

「伊達」=「派手」というイメージから、具足も色鮮やかなものを想像しますが、意外にも黒を基調としたシンプルなデザインとなっています。

具足が黒でシンプルなだけに、いっそう兜の三日月の前立てが引き立つデザインですね。

なお、仙台市博物館には他にも伊達家に伝わり現存する具足が展示されます。

いずれも常設展示ではない為、実物を観覧したい人は事前に確認しておきましょう。

仙台市博物館Webサイト

 

 

まとめ

  • 派手な逸話もある伊達政宗に由来して、男らしくおしゃれで派手な男性を「伊達男」と呼ぶようになった。
  • 「引き立てるメガネ」→「立てるメガネ」→「立てメガネ」が転じて「伊達メガネ」となった。
  • 「派手」=「伊達」から、派手な黄色の卵焼きを「伊達巻」と呼ぶようになった。
  • 「外見が派手なだけではなく実力がある」という意味の「伊達ではない」という言葉は伊達政宗の「伊達」に由来している。
  • 伊達政宗の三日月の兜は、月をシンボルとした軍神・妙見菩薩のご加護を祈念してつけられた。

 

鬼滅の刃と日本神話

1

日本最古の歴史書『古事記』の物語に登場するイザナギ(男神)とイザナミ(女神)は、日本の国土を創造し、そこに住む神様を産み出した夫婦の神様です。 次々と子供となる神様を産み、火の神「カグツチ」(漢字表記 ...

2

人気漫画「鬼滅の刃」は、実は日本最古の歴史書『古事記こじき』の日本神話と深い関係があります。 この記事では、そもそも『古事記』とは何なのかということや、その『古事記』の日本神話と「鬼滅の刃」との関係に ...

3

人気漫画「鬼滅の刃」に登場する元・音柱の宇髄天元(うずいてんげん)は、自分で「祭りの神」と言っていますが、実は本当に「祭りの神」なのかもしれません。 というのも、日本神話に登場する、とある神様が宇髄天 ...

4

「鬼滅の刃」に登場する錆兎と真菰の正体は、実は日本の神話「因幡の白兎」なのかもしれません。 「それって一体どういうこと?」と思った人はぜひ読んでみて下さい。 「因幡の白兎」のあらすじも紹介しながら、そ ...

5

「鬼滅の刃」の最大の黒幕・鬼舞辻無惨の側近とも言える上弦の肆の鳴女の正体は、実は鳥の雉(キジ)です。 どういうこと?と思った人は、その理由を書いていますのでぜひ読んでみて下さい。 ※あくまでも筆者の考 ...

6

「鬼滅の刃」の物語の序盤で、炭治郎は錆兎との戦いを通して見事に大きな岩を斬り、鬼殺隊の最終選別へと向かいました。 この錆兎との印象的な戦いは、もしかしたら戦国時代の剣豪・柳生宗厳(石舟斎)(やぎゅう ...

7

大人気漫画の「鬼滅の刃」で鬼殺隊の伝令係として隊員のパートナーである鎹烏(カスガイカラス)は、もしかしたら初代神武天皇のパートナーとも言える八咫烏(ヤタガラス)が元ネタなのかもしれません。 なぜそう言 ...

8

「鬼滅の刃」の鬼舞辻無惨の元ネタは「古事記」の神話に登場イザナミなのかもしれません。 イザナミって何?それってどういうこと?と気になった人はぜひ読んでみて下さい。   目次1 イザナミ(伊邪 ...

9

ついに最終巻が発売された『鬼滅の刃』。 予想外の最終回に驚いた人は数え切れないでしょう。 そして、なんと言っても驚いたのが鬼舞辻無惨がまさかの巨大な赤ちゃんのような姿に化けたことですよね。 誰もが「な ...

-戦国時代

Copyright© やおよろずの日本 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.