エヴァンゲリオン

【エヴァンゲリオン・序】カヲルが棺桶にいた理由は?セリフ「また三番目とはね」の意味も

2021年1月4日

『ヱヴァンゲリヲン・序』の最後に、渚カヲルが月面に置かれた棺桶の中から登場し、ゼーレと会話しながら「また三番目とはね」という意味深な言葉を残しながら物語は終わります。

きっと誰もがカヲルはなぜ棺桶にいたのか?「また三番目とはね」という言葉の意味は何か?と疑問に思ったことでしょう。

そこで、この記事ではこれらの疑問について、様々な説を踏まえながら考察していきます。

 

【エヴァンゲリオン・序】カヲルが月で棺桶にいた理由は?

まずは『ヱヴァンゲリヲン・序』の最後に、月面に置かれた棺桶からカヲルが出てきた理由について考察していきます。

ストーリーの最後に登場

ひし形の形態をした第6使徒を倒したものの、綾波レイの乗る零号機は使徒の攻撃を受けて大ダメージを受けてしまいます。

中にいるレイのことが心配なシンジは、必死でなんとか救出に成功することができました。

そして困惑しているレイに対し、シンジは「笑えばいいよ」という言葉を送り、これで第6使徒との戦いは決着がついたのでした。

 

すると、画面は突如として赤い血のようなものが付着した月面のシーンに移り代わり、そこに置かれた9つの棺桶の中のひとつからカヲルが登場したのです。

わかっているよ。

あちらの少年は目覚め、概括の段階に入ったんだろう。

また三番目とはね。

変わらないな君は。

会える時が楽しみだよ。碇シンジ君。

棺桶から目覚めたカヲルは、このように何かを知っているような口ぶりで、シンジのことについても昔から知っているかのように話したのでした。

そして映画はここで「つづく」というテロップとともに、謎を残したまま終わったわけです。

 

カヲルはパラレルワールドにいる

『エヴァンゲリオン』の世界の相関図(仮定)

さて、なぜカヲルが月面に置かれた棺から登場したのかというと、それを解くには前作の『旧劇場版』からおさらいする必要があります。

『旧劇場版』では、シンジの乗るエヴァ初号機が覚醒し「サードインパクト」を引き起こします。

この時、すべての生命体はL.C.Lという液体に還元され、シンジもL.C.Lの海の中でレイやカヲル・母親のユイのイメージと対話すると、シンジは次のようなセリフを言います。

でも僕はもう一度会いたいと思った。

その時の気持ちは本当だから。

この言葉に、シンジが元の世界に戻りたいと願っていることが表現されていると考えられます。

そして、そのシンジが願った元の世界こそが『ヱヴァンゲリヲン・序』『ヱヴァンゲリヲン・破』の世界なのではないでしょうか。

つまり、『ヱヴァンゲリヲン・序』『ヱヴァンゲリヲン・破』の世界は『旧劇場版』でサードインパクトが起こった後に、シンジが願って創りだされたパラレルワールドであり、この世界は現実の世界とは別物だったのです。

 

さて、『旧劇場版』のサードインパクトは、ゼーレが放った9つのエヴァとともに発生し、月には血のような赤いもの(巨人のレイの血?)が付着しました。

そして、エヴァ初号機は太陽の反対側に浮遊している映像が流れるのです。

『旧劇場版』の後の現実世界は、『ヱヴァンゲリヲン・序』ではなく、違う時間が流れていて、カヲルがいたのはその現実世界の赤く染まった月の上だったと考えられます。

カヲルが入っていた棺桶は全部で9つあり、これはゼーレが放った9つのエヴァのことを暗示させるものとも捉えることができます。

 

まとめると、『ヱヴァンゲリヲン・序』で最後にカヲルが赤く染まった月面の棺桶から出てきたのは、『ヱヴァンゲリヲン・序』とは別の、『旧劇場版』でサードインパクトが起こった後の現実世界での出来事というわけです。

パラレルワールドにいるシンジとレイのシーンから続けて映し出されるので、同じ世界の出来事と思ってしまいますが、カヲルがいたのは『ヱヴァンゲリヲン・序』というパラレルワールドではないのです。

 

白い巨人の正体は

『旧劇場版』のセントラルドグマにいたアダム

さて、カヲルとともに月面にいた不気味な白い巨人は、『旧劇場版』でサードインパクトを引き起こしたアダムの残骸だと考えられます。

サードインパクトのあとに月に移送されたものと考えられますね。

『ヱヴァンゲリヲン・序』のセントラルドグマにいた白い巨人と、『旧劇場版』のセントラルドグマにいた白い巨人違うのは、現実世界とパラレルワールドという違いがあるからです。

 

 

カヲルのセリフ「また三番目とはね」の意味は?

さて、今度は棺桶からでてきたカヲルの「また三番目とはね」というセリフについて考えてみましょう。

現実世界の「サードチルドレン」のシンジのこと

サードインパクトが起こる前の現実世界では、シンジはエヴァに登場する三番目の適格者「サードチルドレン」と呼ばれていました。

そして、パラレルワールドの中でもシンジは、表現こそ違えどエヴァの第三の適格者として「第三の少年」と言われています。

カヲルが月面で「また三番目とはね」と言ったのは、エヴァの適格者であるシンジのことを指しているのは間違いないですね。

 

「また三番目とはね」に込められた意味は?

お伝えしたように、『ヱヴァンゲリヲン・序』はシンジが望んだパラレルワールドといえるわけで、言ってみればやり直しの世界ともいえます。

現実とパラレルワールドのはざまで、使徒の順番も変わっていたり、カヲルも「最後のシ者」から「第1使徒」へと順番が変わっています。

そういう世界にあっても、シンジは現実世界の時と同じように「エヴァの三番目の適格者」であり続けたわけです。

こうした二つの世界の違いの狭間でも変わらないシンジに対する思いが「また三番目」とはね、という言葉に現れたのではないでしょうか。



 

まとめ

  • カヲルが赤く染まった月面にいたのはサードインパクトの後の現実世界。
  • カヲルが9つある棺桶のひとつから出てきたのは、サードインパクトでゼーレが放ったエヴァシリーズを暗示させる。
  • 月面のカヲルと一緒にいた白い巨人は、『旧劇場版』でサードインパクトが起こった後のアダムの残骸。
  • カヲルの「また三番目とはね」という言葉は、パラレルワールドでも変わらないシンジに対しての思いからでた言葉。

『エヴァンゲリオン』シリーズは本当に奥が深く、映画もどれかひとつだけ見ても何のことかわからないと思いますし、今回取り上げたカヲルの存在についても様々な説がありますね。

今回ご紹介したパラレルワールドについても、はたして正解かどうかはわかりませんが、このようにあれこれと考えることが『エヴァンゲリオン』の大きな醍醐味のひとるですよね。

2021年1月から『シン・エヴァンゲリオン』が公開されますが、この記事が映画を見る際のお役に立てれば嬉しいですね。

 

当サイトでは他にも『エヴァンゲリオン』に関する記事を掲載しています。

ご興味のある方はぜひこちらも読んでみて下さい。




 


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