『ヱヴァンゲリヲン・破』のラストに突如として現れるカヲルは、それまでのストーリーを断ち切るかのように謎の言葉を残し、そして映画は「つづく」と表示されて終わりを告げます。
しかもその表情はなぜか少し嫉妬して怒っているようにも見え、ますます謎は深まってしまいましたよね。
そこで、この記事では最後になぜカヲルは嫉妬して怒った表情をしていたのか?ということや、最後のセリフについて考察しています。
目次
【エヴァンゲリオン・破】カヲルの登場シーンと表情
それではまずカヲルがなぜ嫉妬したように怒った表情をしていたのかご紹介していきましょう。
包帯でぐるぐる巻にされたような第10使徒が現れ、マリの乗る2号機やレイの乗る0号機で応戦しますが、強力なATフィールドを持つこの使徒を殲滅することはできませんでした。
こうした状況の中、レイは自滅覚悟でロケットを持って立ち向かいますが、それでも倒すことはおろか、0号機ごと使徒に捕食されてしまったのです。
そして使徒はネルフ本部の中まで入ってきてしまい、危機的な状況を迎えてしまうのでした。
この時、シンジはほとほとエヴァに乗ることに嫌気がさしていましたが、レイが捕食されてしまったことを目の当たりにして、エヴァ初号機に乗ることを決意したのです。
しかし、活動限界を超えてしまい、使徒に腕を引きちぎられるなど絶体絶命のピンチに陥ってしまいました。
ところが、レイを奪った使徒に対して怒りの極限を超えたシンジは、初号機を覚醒させ、使徒を殲滅するとともにレイを救い出したのです。
そして、その時、覚醒した初号機とともに空中に大きな穴(ガフの扉?)が開き、サードインパクトが始まろうとしていたのでした。
こうしてサードインパクトがはじまろうかと言う時にエンドロールが流れますが、それが終わるやいなや、空中から槍が飛んできて初号機を貫き、エヴァの機体に乗ったカヲルが登場したのです。
カヲルはなぜ嫉妬して怒っているのか?
登場したカヲルの表情は、微笑みをたたえているいつもの表情ではなく、ちょっと怒っているかのような表情でした。
この表情の理由については、記録全集内のインタビューによると、『「知らない間に女とくっつきやがって」という嫉妬の表情を持たせてみた』ということなので、嫉妬心の現れであることは間違いないでしょう。
ではなぜ嫉妬しているか?ということですが、その理由は次のようなことが考えられます。
- シンジがレイを必死に助けたから
- シンジを幸せにする役割を奪われたから
- サードインパクトを引き起こしそうになったから
それでは順番にみていきましょう。
1.シンジがレイを必死に助けたから
シンジは使徒に取り込まれてしまったレイを必死になって助け出しました。
レイはかなり謎に包まれた少女で、『旧劇場版』でもサードインパクトを引き起こした際は地球に巨大なレイの姿が現れるなど、限りなく使徒に近い存在だと考えられます。
そして、カヲルもレイと同様に謎に包まれた少年ですが、カヲルは使徒だということはアニメ版から通じて周知の事実です。
カヲルにとっては、同じ使徒のような存在のレイにシンジを奪われることが許せないという思いがあったのかもしれません。
2.シンジを幸せにする役割を奪われたから
後述しますが、作中のセリフから、カヲルはシンジを幸せにすることを自分の宿命だと考えているようにみえます。
ところが、シンジはレイを助け出した時に幸せに満ちた表情を浮かべていたのです。
好きな人に対しては、自分がその人を一番幸せにしたいと思うのと同じで、カヲルも自分がシンジを一番幸せにしてあげたいと思っていたのでしょう。
そうした役割をレイに奪われてしまった為に、嫉妬の気持ちが表情にでてしまったのではないでしょうか。
この気持は、レイがシンジに手料理をつくってあげようとしていたのに対抗して、アスカも傷だらけになって手料理を作ろうとしていた時の感情と同じですね。
3.サードインパクトを引き起こしそうになったから
シンジはレイを取り込まれたことに怒り、それがトリガーなって初号機は覚醒し、今にもサードインパクトが起きそうな事態になってしまいました。
結果的にこれはカヲルが投げた槍によって収まるわけですが、このサードインパクトはカヲルにとっても予期せぬことだったのでしょう。
続編の『Q』の話しになりますが、カヲルにとっては自分とシンジによってインパクトを起こすつもりでいたわけですから、ここでレイとシンジによってサードインパクトを起こされるのは不本意だったはずです。
こうしたことからも、嫉妬と怒りに似た思いがこみ上げてしまい、表情にでたのかもしれませんね。
最後の「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」のセリフの意味は?
さて、カヲルは嫉妬で怒ったような表情を浮かべながら、下記の意味深な言葉を残して終わるわけですが、そのセリフについて考察していきます。
さあ、約束の時だ。碇シンジ君
今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ
ラストのカヲルのセリフで「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」と言っていますが、「今度こそ」という口ぶりからして、以前にも幸せにしようとしたことがあった(でも失敗した)という意味に聞こえますよね。
でも、ここまでの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の作品の中では、そういったシーンは見られなかった為、このカヲルのセリフの意味がよくわからないかもしれません。
なぜカヲルはこのようなセリフを言ったかというと、それはカヲルは別の世界からやってきたことによります。
どういうことかと言うと、『テレビ版』『旧劇場版』が現実の世界とすると、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』はその後にできた別のパラレルワールドで、カヲルはサードインパクト後の現実世界からやってきたということです。(上図参照)
つまり、カヲルは『テレビ版』ですでにシンジと会っており、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の作中では会っていなくとも、すでに会ったことがあるという前提で話が進んでいるわけです。
だから、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の中でも、以前からシンジのことを知っているかのようなセリフがあるわけなんですね。
さて、『テレビ版』の時から、カヲルはシンジのことを想う言動が多々ありました。
ただ、この時はあくまでも使徒としてやってきていて、サードインパクトを引き起こすことが最大の目的でした。
そして、そのことが結果的にシンジを裏切ることになり、心を深く傷つけてしまったのです。
つまり、カヲルは一度『テレビ版』の時にシンジを傷つけてしまった為、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の中では「今度こそ」シンジを幸せにしたいという思いがあり、それが言葉となって現れたのだと考えられます。
まとめ
- 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破』でカヲルが怒った表情をしているのは嫉妬の為。
- カヲルが嫉妬している理由は、シンジが必死にレイを助けたことやシンジを幸せにする役割を奪われたこと、サードインパクトを起こされそうになったことが考えられる。
- ラストのカヲルのセリフは、『テレビ版』で会った時にはシンジを幸せにすることができなかったから。
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